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四三話 ページ47

目が覚めてしまった。今は夜中の2時30分頃。


ふと横を見ると、隣で寝ていたはずの田中がいなかった。




少し気になって辺りを見渡すと、体育館の扉の所に一人座り、暗い夜空を悲しそうに眺めていた。

俺は、そんな顔をした後輩がほっとけなくて、気付いたら声をかけていた。





菅「田中…。」


田「!スガさん」


菅「ちょっと目が覚めちゃってさ。隣……いいか?」



おそらくは、西谷のことを考えていたんだろう。

さっきも、見た感じこいつだけ泣いていないようだった。


田中は強い。だけど………強くない。




田「ノヤさんは、俺を置いて行けって。俺は烏野の守護神だ!!必ずお前らを守るって。
  そう言ったんすよ。………最後までかっこいい奴だった。」


西谷の選択。親友の選択。
田中は、それを聞いて戸惑ったに違いない。

けれど、田中が選択する時間は与えられなかったのだろう。

だから、西谷の決意に従うしかなかった。



田「…俺はそんな親友を置いて、一年連れて………逃げた。

  日向とAに怒られました……何でノヤを置いていったんだって。

  俺、今になって自分が許せないッス。あんときは確かに、アイツが突っ込んでってくれて…
  そのおかけで、ノヤ一人しか犠牲にならないで済んだ。

  あのときは、必ず誰かが行かなきゃいけなかった。
  だから、感謝しなきゃいけないと思ったんです。…悲しむ前に。」



従うことは絶対に間違っていなかった。
それが正しかったんだ。



田「俺は、アイツのためにも笑わなきゃって、生きなきゃいけねぇ。そう思ったんです。

  ………でも、よく考えたら、俺…自分が死ななくて良かったって……そう思ってた。

  許せねぇ…自分が。一年にはアイツを信じて逃げたとか言って、半分は怖くて逃げた。

  俺はアイツを見捨てたんだって思ったら、どうしたら良いか分からなくて
 
  全然…眠れねぇんすよ…。」





田中の話を聞いて、俺は泣きそうになった。

俺が泣くわけにはいかなかった。必死にこらえた。






田中……お前は本当に馬鹿だ。

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作品ジャンル:アニメ
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ゆうにゃん11(プロフ) - 実央さん» ありがとうございます!!更新頑張ります。 (2016年3月14日 14時) (レス) id: a050ebb2e9 (このIDを非表示/違反報告)
実央(プロフ) - チャラ男だと思うんだけどな…のやっさんが気づいたなら私もできるはずじゃー!更新頑張ってください! (2016年1月6日 12時) (レス) id: 95679b4124 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうにゃん11(プロフ) - ゆーらんさん» コメントありがとうございます(*´ω`*) (2015年12月4日 22時) (レス) id: f1035b009b (このIDを非表示/違反報告)
ゆーらん - 嘘ぉ!!O.Tってチャラ男じゃないの!? 何だ……!嗚呼えぇもう一回考えよ ノヤっさん……ο(°´д`)ο (2015年10月29日 21時) (レス) id: 5ba950dabe (このIDを非表示/違反報告)
ゆーらん - 面白いです、O.T分かりました!! イニシャルであらわすとか岩ちゃん、 きずかないのかな?? 頑張ってください (2015年10月29日 21時) (レス) id: 5ba950dabe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たお(元ゆうにゃん11) | 作成日時:2014年11月23日 13時

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