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第九話 ページ11

『ぴーすけちゃーん』

「あの子、姿を消せるんでしょ?それじゃあ…」

一応探索するも、民家や木々が並んでいるだけで人の姿はない。

探すことを諦め、別々で行動するか
このまま探し続けるか



「…待って、足音」

突如足を止め、辺りを警戒し始めるFB
私にはそんな音一切聞こえないが、FBの能力を踏まえれば、この近くに誰かいるのだろう


鳥の鳴き声
煩く鳴く蝉
草が擦れる音






「プレイボオオオオオオオル!」


『わっ!』

「い゛っ!」

耳を劈く爆音。否、人間の声。
頭の奥が貫かれるような感覚がして、足がよろめいた
体勢を整えても、頭痛と耳鳴りは収まらない


「あ゛ぁ…!」

『FB!ちょっ、大丈夫?』

地面に膝を突き、頭を抑えて悶えるFB

苦しみ方が明らかにおかしい
普通は大きな音如きでこんなに苦しんだりしない


『FB、ねえ、えふびー!』

「っぁ、ぁ…!」

肩を叩き、ようやく自分の方を向くFB
何回も呼んでも反応しないなんて…

まさか




『私の声、聞こえてる…?』

「ぅ、あ、A…?」


「君は聞こえてんの?」

『っ!?』


鈍く光る金属バットを持ち、陽気な笑顔のまま私達に近付いてくる
二組のコジマ君。

FBの耳が聞こえなくなったのは、彼の能力の所為なのだろうか



「そいつは効果バツグンみたいだな
脳にもちょっとキたでしょ?」

『近づくな!』


「俺そういう能力なのよ、声で相手の耳を使えなくする。みたいな
そいつにとって俺は天敵な感じ?」

FBは視覚と聴覚が強化された
強化された聴覚だからこそ、さっきの彼の声が言い表せないくらい大きな衝撃となって襲ったのだろう。


FBがこんな状態の今、頼れるのは自分自身だけ
いや、このゲームの中じゃ誰かに頼ってはいけないのだ。

使ったことのない鉈を持って構える


殺す覚悟は


「やる気?手震えてるよ?」

『煩い!』


「すぐにでも仕留めたいのは山々だけど、


…その前に」



バットは私にではなく、上に向かって振り上げられた
その瞬間、ガキン!とぶつかる音と共に上がった火花


「ちぇっ」

「そこの二人より、お前の方が手強そうなんだよなあ」


肩以上の長さのある髪をまとめ、
太陽の光を浴びて、明るい茶髪をさらに輝かせる

呻るチェーンソーを両手で持ち、大木から降りたその姿は、彼の口癖の

堕天使。いや、悪魔。





「そう、この俺が、闇の世界に舞い降りし漆黒の堕天使。


きっくん、まーくつーだよ〜ん」

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ちゃんかな(プロフ) - キヨのラスボス感が…ww面白くて一気に読ませて頂きました!更新楽しみにしてます^ ^ (2016年4月18日 6時) (レス) id: 92b328d118 (このIDを非表示/違反報告)
不眠パン(プロフ) - じぜりゅ@せぴ厨さん» ありがとう(-ω-) (2016年3月26日 2時) (レス) id: 08941b9fc7 (このIDを非表示/違反報告)
じぜりゅ@せぴ厨(プロフ) - 影ながら応援していますー!これからも頑張ってください! (2016年3月26日 1時) (レス) id: 4161755bef (このIDを非表示/違反報告)
不眠パン(プロフ) - どんどこさん» ありがとうございます!とても嬉しいお言葉です!個人の忙しい時期は終わったので更新頑張ろうと思います! (2016年2月27日 0時) (レス) id: 3ebdc808ef (このIDを非表示/違反報告)
どんどこ - 何でこんな素晴らしい作品が作れるんですか…とても尊敬します!これからも頑張ってください! (2016年2月26日 23時) (レス) id: 5d711073e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不眠ご飯 | 作成日時:2015年8月1日 7時

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