【うらみちお兄さん】ブラック会社にも癒しはあるそうです

治療 ページ10

私の手を持ち何も言わず引っ張る裏道さん。少しズキズキする足がもつれそうになりつつも足を動かす。


『…あ…あの！裏道さん…っぅ』


歩いてた足を止めゆっくり私の方を向き足元に手を当てる。


裏道｢…足捻ったのか？｣


まぁ大方さっきの木角さんの時に捻ったんだろう。湿布でも貼れば治る腫れ具合だった
なのにAは申し訳なさそうにごめんなさいと呟いた。


『…私…どんくさいから…へへ。収録遅れちゃいますよね？私後から行くので裏道さん先に行っててくれますか？』


心配かけまいとへにゃりと笑うA
足が痛いのに俺が無理やり引きずったから…徐々に罪悪感が芽生える。


裏道｢………｣


Aの身体を持ち上げ抱き抱える
俗に言うお姫様だっこというやつをされてAの顔は真っ赤になっていた


『え…あ…あ…重いですから！裏道さん！！』

裏道｢…いいから。ジタバタしてると収録遅れるぞ｣


そう言うとAの動きは止まり顔を真っ赤にして目を潤ませていた。
筋トレバカとあのクソ兎に馬鹿にされ続けたが、Aを軽々と抱きしめられるんだから筋トレもいいもんだなと内心ご機嫌でスタジオに向かった


…
……
………


熊谷｢A大丈夫かな…泣いて帰ってくるかもな｣

兎原｢あっでもさ！Aがさ〜泣くとめっちゃえろくなんの！だからたまに意地悪したいなーって時あんだよな〜…って嘘嘘嘘だぴょーん…｣

ギロリと熊谷に冷たく睨まれ焦りながら目線をそらす兎原。
話題を変えるために、いつもネタにしているあの人の事を話す


兎原｢そう言えば！裏道さんおっせーな！まさかまた筋トレしてるんじゃね笑｣

熊谷｢…｣

兎原｢え…なんでお前黙るの………え…｣

裏道｢よお。随分楽しそうだな。｣


兎原の座ってる死角からヌッと現れる裏道。そしてちょっとデカい小鳥さんのぬいぐるみを兎原の顔面にめり込ませて椅子から転げ落とす。


兎原｢ﾝｸﾞｸﾞｸﾞｯ！！！ｸﾞｰｰ！！｣


虚無な顔をしてる小鳥さんのぬいぐるみが目の前にいてとても気味が悪い。助けを求めて熊谷を見るが知らん顔でコーヒーを飲んでる。


兎原｢ﾌｯﾌｰｰ!ﾝﾝﾌﾝｰﾌｰ!(くっそー！息を吸うように裏切りやがって〜！！)｣

裏道｢ははは！そんなに嬉しいのかー！｣


悪魔のように顔面をグイグイとめり込ませてた時、救いの声が隣から聞こえる。

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