特別編 『誕生日おめでとう！！』 ４月４日と言えば......？ ページ24
「あ！？」
茶色の髪を二つに結った彼女、Aは驚きの声を上げる。
「なんだよ」
「どうしたの？」
その声を聞いた二人の少年、ゴンとキルアはほぼ同時に疑問を口にする。
「今日ってさ......クラピカの誕生日だよね！？」
「「あ」」
思い出したように二人は顔を見合わせる。
「......ちゃんとお祝いをしてあげないとね！」
Aはふぅと呆れたように声を漏らした。
「でもさ、どうやってお祝いすんだよ。オレ達はここから出られないだろ」
「あ」
キルアはやれやれと言った様子で首を振る。
その態度が内心苛ついたが、先程自分も同じようなことをしたため、ぐっと堪えた。
「ならさ、電話かければ？」
一人の少年の小さな呟きは、Aにとって天の声とさえ感じた。
「ゴン！あんたやっぱ天才だよ！！もう大好きだー！！」
Aはたじろぐゴンの手をがっしりと掴み、輝かしい顔を見せた。
「あはは......」
一方のゴンは苦笑いしかできなかった。
(......んだよ、オレも考えてたっつーの)
はしゃぐ二人をよそに、キルアは面白くなさそうだった。
その感情は意地か、はたまた嫉妬か。
「キルア、何ふて腐れてるの？」
「別に」
「なにそれー！？」
ふいと顔を背けたキルアに、Aは意味が分からないというように首を傾げた。
「じゃあ......電話するよ！」
するとAは、携帯の電話帳を開き、「クラピカ」と表示された番号を素早く押した。
プルル......と音が鳴り、しばしの沈黙が続く。
――ふと携帯に目をやると、ディスプレイには「A」と表示されていた。
ここで電話をとるのは失礼だと思い、センリツに一言伝えてから席を外した。
「もしもし」
『もしもし？』
そう言ったのは、Aだった。
『クラちゃん？生きてたんだ！よかった〜』
“死んでいるのならこうやって電話に出る訳ないだろう”
と、内心つっこみを入れる。
『クラちゃん、誕生日おめでとう！！』
「......！」
そうか、今日は私の誕生日だった。
そういえば去年もこうやってお祝いしてくれたのを思い出す。
毎回きっちり祝いを言うなんて律儀だな、とふふっと笑う。
『ごめんね！何もやれなくて』
いいんだ。
お前の声を聞けるだけで私は幸せだよ。
なんて言える訳もなく。
「......ありがとう」
お礼を言うだけで終わってしまう。
(本当の気持ちを伝えられる時が来るといいが)
(......その前に死んでは意味がないな)
ＮＯ、０１４３ ハッタリ→←ＮＯ、０１４２ 目を瞑るような光景
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ウル(プロフ) - ふみふみさん» コーラね…気に入らない人もいたよ。まあ仕方ないけどね(苦笑)すごくないよ…まだ新人だし。あ、リクエストのイラスト、明日か明後日に載せるよ。 (2013年8月30日 19時) (
レス) id: 2a11968711 (このIDを非表示/違反報告)
カエルンの3DS - ふみふみさん» フレンドリスト見てみ？ハリセンボンの春菜がいるからww (2013年8月29日 4時) (レス) id: 3bb9d42e20 (このIDを非表示/違反報告)
ふみふみ(プロフ) - カエルンさん» その男の子、失礼だな(-"-)私は知らん不良？の人にブスって言われたｗｗｗ本当のことだから何を今さら言ってるんだろうとか思ったｗｗｗ (2013年8月28日 17時) (レス) id: 3596bb07c6 (このIDを非表示/違反報告)
カエルン(プロフ) - ふみふみさん» ないないw知り合って数分しか経ってない男の子に、ハリセンボンの春菜に似てね？wwって言われてたしww (2013年8月28日 16時) (レス) id: c865eef8a1 (このIDを非表示/違反報告)
ふみふみ(プロフ) - カエルンさん» 超！？えｗｗちょっｗｗｗそんなこと言って本当はすごい美人ってオチでしょ（＾ｕ＾） (2013年8月28日 16時) (レス) id: 3596bb07c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：２３茶 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/humihumi013/
作成日時：2012年6月8日 18時
