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36.主題と主体は全て君 ページ36

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ノックが聞こえて開けに行くと随分疲れた顔をしたクアが立っていた。大きめのニットは俺が昔にあげたやつでかなり愛着してくれたようで 少し伸びてしまったみたいだね、とブカブカになっている袖を触った。

「 好きな人が出来ました 」

この子がずっと避けていた“ 恋愛 ”というモノについては俺がよく一番知っていた。それにクアは普段からメンバーの相談や感じていることを上手く引き出して胸の疲れを解くのが立派に得意分野であり、メンバーの心情や問題などをリーダーである俺にいつも報告をしてくれている事もありつつ、俺にも自分の相談をよくしてくれていたから。

「 お前が好きな人ならきっといい人だろうね 」
「 うん すごくいい人だよ 」

嬉しそうな顔をして微笑むクアに目を奪われて緩りと頬が上がる感覚に俺は嫌気が差した。

いつまでも本当に優しい子でいるから俺の事を本当に大切に思っていてくれていた。自分の感情は吐かないくせに言葉が上手で人を慰めることが仕事かのように行う。それに俺には本当に必要な人であったし、俺を制御するのも全てはクアだった。だけど俺達の時間になればそのような面は豹変して儚く綺麗な顔を上手く使い、無愛想に俺を壊して、愛して、俺を弄ぶような危ない女を怖いと思うのは当然なのかも知れない。


ギシギシと鳴るベッドを部屋に響かせ声を殺す。俺達はその関係になってしまっていても一度も辞めようとは思わなかった。まず、それが一番この仕事をするにあたり安全で隠れやすいからだ。わざわざ好きな人を作って恋人を作って恋愛をするよりも正直一番良かった。俺はそれを望んでいたし、クアはその方が面倒臭くなくて良い、とその口で言った。それに頭が良く覚えも早いからそういうのまでかなり上手くやる方だし結局のところ俺達は所詮男と女だ。だからその場合もあるのかも知れない。別に誰でも良いというわけではないけど。

「 これ彼氏さんにバレたらどうなるかな 」

と少し前に付けた噛み跡をなぞれば“ここにタトゥーでも彫ればバレないでしょ”と軽々と適当な言葉を発してベッドに落ちた下着を穿けば、行為前に着ていた俺の服を着て息の続く限り付いた匂いを嗅ぐ。まるで俺の全てを吸い尽くしたいように。

自分のモノにはしたくない。そうしてしまうと、いつか自分の手から離れる日が来るかもしれないからね。





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37.相談相手の強敵さん→←35.必要不可欠な存在



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ちょこりたん(プロフ) - Ronnyさん» ですよね!!!それに最近人気ですし知ってる子も多いかと思って登場させてみました!!感激していただき嬉しいです!これからも優しい目でお見守りください( т_т ) (2021年4月18日 9時) (レス) id: 5933786ca4 (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - ソンガンくーーーーん!!!アアアアアスキ!!ソンガン君が登場する小説ほとんどないので感激です!! (2021年3月31日 0時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこりたん(プロフ) - おまめさん» コメントありがとうございます泣どうしてもアイドルじゃない人とクアちゃんを書きたかったんです..読者さんはソンガンさんが出てくることによってどう思うか心配でしたのでこのコメントを頂けて安心しました!これからもご愛読ください! (2021年2月11日 9時) (レス) id: 5933786ca4 (このIDを非表示/違反報告)
おまめ(プロフ) - ソンガンさん出てくるの最高です!! (2021年2月10日 23時) (レス) id: e449d9e1dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこりたん | 作成日時:2020年4月28日 20時

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