検索窓
今日:1 hit、昨日:46 hit、合計:343,368 hit

34.無題の修羅場にて ページ34








背後から気配を察して後ろを向けば布団で顔を隠した黒髪の可愛い頭が見えた。こんな分かりやすいことをする人はメンバーの中でたくさんいる。だが隠し切れない可愛さと言うか、そういうのが多すぎるメンバーは少ない。私が思い浮かぶのはジョンウくんだった。わざと気づいてないフリをしてそのままスマホを触っていると隣に近寄って私のスマホを取り上げる。

「 なにしてんの 」
「 あれ、なんか僕の好きな匂いじゃないんだけど 」

そう言えば拗ねた顔をするように眉を下げたこの犬はやっぱりジョンウくんだった。目をウルウルとして何か言いたそうにしながら私の様子を伺がうから驚いた顔を隠しきれない私はすぐに目を逸らした。なぜ匂いなんか、と思い返してみるとソンガンさんの付いている香水が良い匂いだから二度振ってもらったっけ。

「 やっぱりこの人と一緒にいたんだね 」

私のスマホの顔認証に登録しているジョンウくんはどれどれと慣れた手付きで私のカメラロールを探ればオッパとのツーショットを表示して私に見せた。もうバレてたんだ。どうせ、ジェヒョンくんだろうなあ。と思いながらスマホを元に奪えば気に食わなそうなジョンウくんが私の肩を抱く、その時にふと思う。私は今までメンバーに肩に抱かれてもその夜だけの居場所であったとしても、絶対に恋愛に置ける好きにはならなかったな。キュンとすることがあっても、その次の日に意識することもなかったことを思い返すと自分がすごく冷たく寂しい者だと思った。それと同時に私が好きだと告白をしてくれた子達に対してすごく申し訳なくなった。この子もあの子もその子も私が好きだということを懸命に伝えてくれて充分に理解し、それすらも分かっているのにも関わらず私は何をしてんだか。ただの若気の至りだと思う。まだきっと若くて、子供であったから仕方ないことなのかも知れないと言い訳が出来るように考えたのは大人になってしまったな。

その思春期での鬼畜になりかけながらも美しさを大切に認識し、青春を共にしてくれたメンバーに対して今ではこんなにもキツく狭くなってしまったと感じるだなんて。実際にそんなつもりではなかったのに。






35.必要不可欠な存在→←33.気になること



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (307 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1313人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちょこりたん(プロフ) - Ronnyさん» ですよね!!!それに最近人気ですし知ってる子も多いかと思って登場させてみました!!感激していただき嬉しいです!これからも優しい目でお見守りください( т_т ) (2021年4月18日 9時) (レス) id: 5933786ca4 (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - ソンガンくーーーーん!!!アアアアアスキ!!ソンガン君が登場する小説ほとんどないので感激です!! (2021年3月31日 0時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこりたん(プロフ) - おまめさん» コメントありがとうございます泣どうしてもアイドルじゃない人とクアちゃんを書きたかったんです..読者さんはソンガンさんが出てくることによってどう思うか心配でしたのでこのコメントを頂けて安心しました!これからもご愛読ください! (2021年2月11日 9時) (レス) id: 5933786ca4 (このIDを非表示/違反報告)
おまめ(プロフ) - ソンガンさん出てくるの最高です!! (2021年2月10日 23時) (レス) id: e449d9e1dc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちょこりたん | 作成日時:2020年4月28日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。