お や つ の 時 間

２６．撮影のコンセプト ページ26

ソンガン(sk)




ずっと気になっていた存在だった子と一緒に撮影なんてさすがに緊張する。どうにか意識をしないようにあまり撮影中に気まづくならないようにしようと一生懸命に撮影前に家でイメトレしてたほど。

クアさんを初めて見た時には本当に驚いた。すごく可愛いと思う前にこの世に生きている者とは思えないくらいの異世界にいるようなかなりの儚さを感じるような子だった。こんな顔の綺麗な子が本当に存在すんのかとまで思っていたから会った時には余計に吃驚もして挨拶をするのがワンテンポ遅くなってしまって恥ずかしかった。高く筋の通った鼻に透き通ったブラウンの目と形が良く綺麗でふっくらとした唇に見とれてしまう。身長が高くて異常に脚が長いから身体の割合がほぼ足。顔が小さすぎてバランスがおかしいのに様になって現実感がないからクアさんがスタジオに入って来たときは見すぎて吃驚されちゃった。

「 いいねいいね〜 もうちょっと近づいてみて 」

とカメラマンさんの言葉に目が合えば少しずつ顔を近つける。その時、俺は心臓が飛び出そうなのにも関わらずクアさんは緊張した顔せずすんなりと顔を近付けてきた。少し伏せたその目がどうしても色っぽくて無意識に唾を飲み込んだ。近くで見れば見るほどに肌が綺麗ですごく白いからマシュマロみたいにふわふわしているみたいで触ってみたいと思い顎を手に添えると少しピクリと動くクアさんと目が合った。本当に綺麗な瞳をしていて吸い込まれそうになった。睫毛の一本一本でさえ繊細でそれさえも尊いように見えた。

「 近すぎですよ 」
「 今はカップルなんだから仕方ないでしょう」

自分で言ってドキりとした。今回の撮影はカップルコンセプトで二人でソファーに寝転んだり膝枕をしてあげたりとかなりラブラブな感じで撮ると予めに言われていたけどこれはさすがにいきすぎている。まあでも俺からしたら結構良いんだけどね。むしろ今幸せ。身体が近くなるほどにクアさんの良い程度に香るバニラの甘い匂いで心が落ち着く、もっと嗅ぎたいと思い首筋に近寄るとカメラマンさんが喜んだ。そんなにカメラは見ないように自然体でと言われているからお互いずっと目が合って恥ずかしくなってくる。

「 二人とも付き合ってるの？ 」

これでも初対面なんだけど、なぜこんなにも話が合うんだろう。儚く現実感のない外見から少し偏見はあったけど意外と暖かい雰囲気をしているクアさんに俺自身が惹かれているみたい。




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