お や つ の 時 間

２５．甘えん坊なせいで ページ25

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「 ねえ好きな人できた？ 」
「 なんで 」

あー図星か。ヌナが図星に付かれた時はただ黙って表情が固まりワンテンポ遅れて返事をする。僕の答えには何も答えてくれない。否定くらいすればいいのに。こっちからしたらバレバレなんだからさ。最近はなんだかヌナがソワソワとしていてスマホを何度も確認をしてはため息をたまにつく。それになんだか前よりも可愛くなってる気がする。表情が柔らかくなったというか、明らかに可愛くなった。元から可愛いけど。


かなりスラリとした173cmの長身にベイビーフェイスだけでもギャップで溢れてるのにヌナの瞳は珍しく明るめのブラウンの色をしている。初めは同じ韓国人と思えなかった。透き通って綺麗な瞳を見ていると吸い込まれそうになる。同じように有名なイ・ソンギョンさんの瞳よりも明るい気がする。本当にヌナの瞳が好きでつい見てしまうから時間を忘れるほどにいつの間にか吸い込まれていた。

ああ、だからメイクヌナはヌナの目にカラコンを入れようとしないのか、と納得もできる。こんな天才的な顔が目の前で俺のベッドに座ってチキンを食べている光景が本当に凄いなと感心する。とりあえず写真撮ってドリムのグルに送っておかないとね。

「 どんな人なの？ヌナが好きになる人 」
「 私が好きな人いるの珍しい？ 」
「 だってこんなにもイケメンがいる中でさ.... 」

言われ呆れてるのか適当に言葉を遮ったヌナは一度考えるようでチキンを食べる手を止めて俺の顔をじっと見る。この癖まじで辞めてほしいんだけど。はやく治してくれないかなーと思いながらチキンを食べる。

「 分からないな 」

長く考えた末に口から出た答えはこれだった。ヌナは今まで恋をしたことがなかったのは知ってたけどさすがにこれはありえない。例えば優しい人とか可愛い人とか格好良い人とか、普通あるのに。


でも確かにヌナはいつも何も望まない人だった。何か欲しいものがあるという訳ではなく、ただ現実をいつも見ていた。だからこそ何も得ない方がいいと思っているのか凄く冷たい世界で生きてきたように思考も本当に内向的だった。ヌナは色々なものを抱えているようで支えてあげたいという気にさせてくれる人。幸せにしてあげたいと思わせてくれるような人だった。

そんな俺の好きな人が人が今目の前で知らない人のことを考えてドキドキして連絡を待っているのかと思うと時分のこの立場を憎む俺は今日も甘えている。






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