夢－yume－ (ページ6)

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「こんにちは！！これから3階でお世話になるジェシーです！」

挨拶に、とノックされたところまでは普通だった。

…こんなに声でかいの？

こんな奴が美容師で耳元で喋るなんて嫌だと思ったし、マジで人変わったんじゃないかとも思った。

「これ、良かったら！」

そう言って割と高いものの紙袋を渡されて、本当に誰なのかわかんなくなってきた。

常識はあって、声はでかいって、あの人は双子だったのだろうか。

「あと、管理人さん！俺、あなたのこと好きになりました！！！」

…前言撤回。常識は、無い。

あっけらかんと笑うルイスさんは声高々と、俺に告白してきたんだ。

数秒間、時間が止まったと思った。止まって欲しいと。

でもルイスさんはおーいとでも言うように手を振ってきて、そんな余地は無くなった。

…俺、告白されたんだよな？

これは返事した方がいいやつかな？

「すいません。俺ルイスさんのことはよくわかんなくって、」

我ながらいい返しだと思った。

お前の人柄変わりすぎて怖ぇよ！！とか俺お前とは仲良く出来ないと思う。とか言わなかったし。

でもそいつは超ポジティブ人間で、

「じゃあ俺の事知ってください！」

って、強引に連絡先交換させられて、今度飯いこうとかいう予定までたたされた。

めんどくせえ。

なんて一応はテナント入ってくれてる人だし、気心しれた人でもないから言えるわけない。

心はめんどくせえ。でいっぱいだった。

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