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lilac (青×桃) ページ42
桃side
「忘れるわけないじゃん。」
そう言って、笑ってくれたのはいつだったっけ。
遠い昔のこと。60年くらい前だろうか、俺が、まだ若くて、まだ知らないことが多くて、それでも懸命に生きていた頃の話だ。
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･
“若年性アルツハイマー”
樹の病名。
物忘れが激しくなって、ある時、迎えに来て、と連絡が来て。
病院で言われた言葉は、アルツハイマー。
「忘れたくない。」
そう言って泣いて、俺も忘れて欲しくない、と泣いていた。
日に日に忘れていく記憶を、樹が1番かなしんで、俺が1番大切にしていた。
そんな樹が、俺の事を忘れてしまったのは、いつだったっけ。
施設には入れたくなくて、死ぬまでずっと、樹と一緒に寝ようと決めたから。
「どなた、ですか、？」
朝、じゃなかったか、樹は起きるのが遅くて、昼頃に起きてきて。
視線は彷徨ってここがどこかも分からないようで。
外には暑い夏があるのに部屋の中には機械的な冷房があったんだっけ、
＿＿それとも、部屋まで冬の寒さが届いていたんだっけ、
･
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るーな - いつも楽しみに読ませていただいます！特にtomatoが大好きです。これからも白ヤギさんの作品を楽しみにしてます！ (2022年12月7日 0時) (
レス) id: d6acd6ac8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白ヤギさん | 作成日時：2021年1月16日 15時
