白いキャンバス (ページ34)

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「ただいま〜」

丁度夕飯を作り終えたところで慎太郎の声が響いた。

「おかえり。ちょうどできたよ。」

手を拭きながら玄関に声をかけると、ありがとう、とでっかい返事。

手を洗う音が止むと、リビングへの足音が聞こえた。

「あ、きょもに会いたかったって言ってたよ。」

丁度ご飯を食べ終え、ソファでまったりしていると思いついたように言う慎太郎。

「俺も行きたかった〜」

まあ、今日は用事あったから、なんて心の中で呟く。

「今度は一緒に行こ。」

…その意味、ちょっとだけ変えられません？

「きょもは何してたの？」

丁度いいフリに心の中でガッツポーズ。

部屋の隅にあった紙袋を引き寄せて、ちゃんと座り直す。

……やばい、今更緊張してきた。

「あのさ、慎太郎。」

「え？何？え？」

戸惑った様子でもただならない雰囲気を感じたのか、慎太郎も座り直して。

「慎太郎、俺と、結婚してください。」

そう言って小さな箱を開けると、ただでさえ水分量の多い眼が涙でいっぱいになって。

「……大丈夫？」

「っ、大丈夫、じゃ、ない〜〜〜〜」

大我好き〜〜って泣きついてくる姿は控えめに言って悶え死ぬ。

「慎太郎？結婚、してくれる？」

落ち着いた頃に、もう一度聞くと、今度ははっきり頷いてくれて。

「これで、俺本当にきょものものになれるね。」

ニコニコしてすごいことを言うから、俺もう死んじゃう。

「きょも？」

心配そうに覗き込むその眼もかわいくてかわいくてかわいい。

「慎太郎、大好きだよ。愛してる。」

そう言ってキスをすれば俺も、って返してきて。

「今度慎太郎の家行くときはちゃんと挨拶するね。」

「え、あっ、そういう事…え、うん！！」

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