白いキャンバス (ページ21)

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「ん、ありがと、しんたろ」

落ち着いた樹は涙を拭って、すぐに目をそらす。

「ねえ樹、なんで泣いたの？なんで目、合わせてくれないの？」

そう言うと多分過去一で長い沈黙。

「………から。」

呟くようなその言葉に、俺は全く聞き取れなくて。

「なんて？」

「……しんたろーがきょもと仲良くするから！！」

なぜか怒ったような言葉に、たろちゃんおったまげ！！

嫉妬、ってこと？

………可愛くない？？？

「俺は！しんたろー、のこと、その、、」

口ごもる樹に、これは俺が言った方がいい、というか、言わなきゃいけない。

「好き。」

たった２文字の言葉に、俺が言うとは思わなかったのか、樹はでっかい目をさらにでっかくして。

そんなに開いたら目玉落ちそうで心配。

「俺、樹のこと、好きだよ。…恋愛的な意味で。」

そう言うと、またまたみるみるうちに涙か張って、もう溢れちゃって。

百面相だね？樹ちゃん。

「俺、お、れも、しんたろ、っ、好き。すき！」

なんてかわいいこと言いながら泣くから、俺もうかわいすぎて抱きしめちゃった。

そしたらもっと泣き出しちゃって、今日はしっかり冷やさないとね、って。多分聞いてないけど。

「ねえ、付き合おう。」

ちょっと落ち着いたところで言うと、大きく頷いてぎゅっとしてきた。

はぁ〜もう。俺の彼女って、可愛いでしょ。

彼女って響きがすっごくしっくりきて、大切で。

「ねえ樹、やくそく、覚えてる？」

冗談交じりで言ったつもりなのに、

「ずっと、いっしょ。はなれない。」

って。泣いたせいで、舌足らずで。

ほんとに、あの時みたい。

「樹、結婚しようね。」

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