ー２９ー ページ32
目は完全に覚醒しているとまでは
行かなかったが、うっすらと視界に
天井が映し出されて来る
見慣れた天井、漂う薬品の臭い
また、気を失ってしまったらしい
ジ「目覚めたか？」
隣を見ると、ジンが愛おしそうな
瞳で私を見ていた
片手には分厚い本が握られている
ずっと、側にいてくれたのだろうか
貴「私は……、貴方に迷惑しか……」
ジ「言わなくていい、それに迷惑じゃない」
ジンの温かくて大きな手が
冷たく氷のようになった私の手を
キツく握っている
安心する、彼の温もりを感じるだけで
貴「私は、日本に帰る……けれど…」
ジ「けれど？」
貴「まだ…、争いは無くなっていない…」
テロリストは幾多と存在している
無害な民間人まで巻き込むこともある
それだけは、絶対に避けたいから…
貴「死ぬまでには……戻れるかな…？」
死ぬまでにはと言ったけれど
きっと、余命なんて残りは数年ほど
オーバーロードはやはり危険だった
精神と肉体が崩壊してしまう
貴「最悪の場合はカイリをお願い……」
ジ「カイリの事を一番理解しているのは
Aだろう？僕では駄目だ」
カイリ、私の大切な子
命を捧げても構わないほど愛しい子
できればもっと早く、安全な地で
育ててあげたかった
こんな、銃弾が鳴り止まない場所で
外の世界を知らないで育つなんて
とても残酷なことよ……
貴「よいしょ……と」
重い体を何とか座らせると
近くの棚に置いてあったタブレットを
手に取り、起動させる
早く安全な場所にしないといけない
休む時間なんて必要ないわ
ジ「仕事熱心なのはいいことだが
君は一人で解決しようとしすぎる」
貴「昔からそうだったかしらね…」
莫大な量のデータをまとめあげる
動くことすら難しいこんな体では
これくらいしかできない
人を動かすのはニーダーさんが
中心で行ってくれている
医療に関しては湊が管理してくれる
私は指示を出すだけしか……
貴「この体を完璧に治せる奇跡を起こせる
それはルイしかいないでしょね」
ルイは科学者として、医者として
日本で多くの人の役に立てている
けど、私はどうなのだろう？
何も進めていないような気がして
虚無感が心を覆っている
続く (更新停止中)
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アース - まさか、待っててくれたんですか？こんなに空いていたと言うのに…… (2015年11月8日 11時) (
レス) id: d06c1fe5e8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 久しぶりの更新ｷﾀ━━ヽ(´ω`)ﾉﾞ━━!!待ってました！続き、楽しみにしてます！( (2015年8月26日 15時) (レス) id: adce949a7f (このIDを非表示/違反報告)
アース - 今まで本当にありがとうございました！待っててくれて、本当に感謝します…！ (2015年8月26日 0時) (レス) id: d06c1fe5e8 (このIDを非表示/違反報告)
水無月レイカ(プロフ) - 続き最高です！前の作品も前の前の作品も号泣しました！更新待ってます！本当にすごいです！ (2015年5月22日 6時) (レス) id: 3a77b62cc6 (このIDを非表示/違反報告)
アース - コメントしくださってありがとうございます、最近更新してなくてすみません、このような言い訳ばかりでごめんなさい(´；ω；｀) (2014年7月16日 20時) (レス) id: 1e4a0158ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アース/クラウン | 作成日時：2014年1月1日 4時
