後悔 ページ10
俺は、アヤに酷いことをしてしまった。
その感情がはっきりと輪郭を表したのは、帰り道だった。
「綺麗な夕焼けだね」
彼女はとても元気な声で言った。
その声が、彼女の本当の心からの声だとは思えない。
「ああ、そうだな」
俺は適当に返してしまう。
俺たちは一度、互いを意識してしまった。その2人が元の関係性に戻るのは、無理と言っても差し支えのない事だった。
「どっかの店で晩御飯も食べちゃう?」
俺は元の関係でいたいと願う。彼女は前に進みたいと願う。それらはどこか、決定的に間違っている。
「そうだな、どうせコンビニで済まそうと思ってたし」
俺たちの関係性なんて、元からそんなものだったのかもしれない。不釣り合いで、歪で、正反対の人種で、どこまでもどこまでも、交わる事がなくて。
よく考えれば、そんな関係のままでいたいと願った俺の方がよっぽど異常なのかもしれない。
「何食べよっかな〜」
彼女は俺の前だからという理由で明るく居てくれているのであろう。それが、俺にとっての救いだった。
「アヤの食べたいとこ行っていいぞ」
彼女は本当に今飯を欲しているのだろうか。否、そうではないのだろう。
「あ、初めてアヤって呼んでくれた」
彼女は頬を赤らめた。それは俺の勘違いかもしれないし、夕焼けが反射してそう見えただけかもしれない。
「そういえば名前で呼んだことなかったっけ」
やらかしたぁ、と思った。
「うん、これが初めて。これからもアヤって呼んで。」
俺たちにこれからなどあるのだろうか。そんなの考えるだけ無駄だと思った。
「おう」
俺は出来るだけ適当に答えた。出来るだけ考えたくなかった。卑怯な奴だ、と我ながら思う。
「えへへ」
彼女は照れ笑いする。
そんな会話をしているうちに、太陽は海へと吸い込まれていった。
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唯乃 - 狂月ちゃんさん» ちょっと内容が多いかもしれず、チャットと言われてしまうかもしれないので、壊れかけであまり使いたくないけれどログインした携帯でそちらのボードへ伺わせていただきます。 (2018年7月31日 14時) (レス) id: b7017b0d47 (このIDを非表示/違反報告)
狂月ちゃん(プロフ) - 唯乃さん» え?いいんでしょうか...え?...え?...い、いいの? (2018年7月30日 23時) (レス) id: 0c08a46611 (このIDを非表示/違反報告)
唯乃 - あの、、私でよろしければイラスト描きましょうか?ガチ目の下手でよろしければ。この作品には容姿が書かれていないので教えてくれたら全力で描かせて頂きます。(≧∇≦) (2018年7月29日 11時) (レス) id: b7017b0d47 (このIDを非表示/違反報告)
狂月ちゃん(プロフ) - 唯乃さん» 小説をみてくださってありがとうございます!期待して頂いたからには頑張らないとですね!改行の使い方ですか!昨日の夜無我夢中で書いてたもので...w 参考にさせて頂きます! (2018年7月22日 18時) (レス) id: 0c08a46611 (このIDを非表示/違反報告)
唯乃 - とっても面白いですね!続きも期待しています。改行しすぎても見にくいですが、もう少しだけ文を区切った方がいいかもですね。ちょっと3話目のところが見にくいです。応援してます!^ ^ (2018年7月22日 18時) (レス) id: b7017b0d47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狂月ちゃん | 作成日時:2017年4月9日 14時