谷地家の病弱少女は、人間と吸血鬼のハーフ！？ (ページ38)

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三十六話ページ38

赤葦side

どうして、Aは、記憶を消されたの？俺の記憶を消せばよかったのに。

“あんたには、分かるわけないじゃない。”

またか、吸血鬼のA。出てくるなとあれほど言ったはずだが？

“吸血鬼の力なんて、望んだのは“カーミラ”と“ドラキュラ”だけだわ。”

カーミラとドラキュラは、西洋で噂された吸血鬼だ。カーミラは、女、ドラキュラは、男だ。

赤「俺は、Aと居れるのならば吸血鬼の力が欲しい。」

“あんたには、Aを守れるの？”

十字架を握りしめてどうか記憶が戻ればいいのにと願う。見かねたのか助けてあげるわと言った。

ーお父さん！お願い、記憶を消さないで！！A！！お願い！A！！消さないで！！京治、忘れないで…私の事を…ー

忘れない、忘れないよ。僕の幼馴染みなんだ。梟谷学園のバレー部よりもずっとずっと大切なもの。

『京治くん…？』

赤「何？Aちゃん。」

思い出してくれたんだ。ちゃん付けなんて久しぶり過ぎるなぁ。

side ？

“ドラキュラやカーミラよりも面白そうじゃない。”

西洋を賑わした２人の吸血鬼を思い出して笑ってしまう。あ～あ、ドラキュラとカーミラの子孫も大したことないわね。

“でも、Aは最高よ。流石は、カーミラの生まれ変わりね。”

私しか知らない事実。Aの父親よりずっと楽しそうだわ。

“あいつに絶対渡さないわ。”

これからの生活が、楽しみね。どっちに天秤が揺れるのかな？ねぇ、A？