谷地家の病弱少女は、人間と吸血鬼のハーフ！？ (ページ35)

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三十三話ページ35

えへへ…影山君、トス早いよ…“人間の私”でも驚きだよ…その前に…お腹空いたぁぁぁぁぁぁあ！！！

影「あ…腹減ったんすか…？そろそろ食堂閉まるし…辞めますか。」

『う…うん…』

いや、そっちのお腹空いてるじゃないんだ。血が欲しいの。

“だったら、影山から貰えばいいじゃない。”

うるさい、黙れ。吸血鬼の私は、出てくるな。

影「あの…！大丈夫すか…」

『ひっ…大丈夫だよ！』

影山君とふたりで食堂に行くと赤葦さんがもぐもぐと唐揚げを食べていた。

『あ、赤葦さぁん！』

赤「何？(あぁ、可愛い…)」

影山君は、こんなに食うのかと言わんばかりなご飯をよそっていた。

『お腹空きました…』

赤「あぁ、いいよ。あげる。」

影山君に聞こえない声で話して、外に向かう。そして、赤葦さんの首に噛み付く。

『んー…おいひいれふ(美味しいです)』

赤「当たり前でしょ。…小さい頃にもあげていたんだから…」

何かぼそぼそと言っていたが全く聞こえなかった。真紅の目の奥がジリジリと焼けている感覚。何処かで抵抗しているみたいだ。

『(何故、抵抗しているの？)』

“そう。そのまま堕ちていけばいいのよ。”

人間の私は、ドコに？何時か…いや、このままいけば早いかもな…バケモノになるのは。

『けたけた…笑える…』

赤「…」

月夜に照らされた私の影はバケモノとして映し出していた…