谷地家の病弱少女は、人間と吸血鬼のハーフ！？ (ページ28)

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二十六話ページ28

赤葦side

赤「Aは、俺のだ…絶対に金髪君に渡さない…」

そんな醜い感情が俺の心を支配していく。“誰にも渡したくない”その感情は人を篭絡していく。

？「ふーん？あんたも堕ちたものね、京治。」

赤「なんだ、お前か。もう１人のA。」

俺は、コイツを知っている。コイツは、過去に俺を堕としていった張本人だからだ。

？「京治、Aがあんたのこと覚えてるわけないじゃん。まだ、想い続けてるの？馬鹿らしい。」

赤「お前が堕としておいてその言葉を吐くか？」

人の欲につけ込むように入っていたコイツはもう、俺に興味を示さなくなった。

？「京治より、月島君の方が欲に溢れてて篭絡していくのが愉しいの。」

赤「でも、Aがそれの邪魔をしたのだろ？」

ふてぶてしくコイツは呟いた。Aに邪魔されてよっぽど悔しかったんだろう。あの金髪君、月島君って言うんだ。

？「月島君も私を拒否したわ。京治だけね、堕とされたの。」

赤「黙れ。お前の力はもう要らない。２度と出てくるな。」

ギロリと睨むとわぁ、怖いと言いながら消えた。Aが欲しいと俺が願ってもAが要らないと思うなら俺は無理に奪えない。

赤「このぐちゃぐちゃに汚れた感情をどうしてくれんの…？A…」

こんなの、恋でも何でもない。あの、月島に対する醜い嫉妬だ。

赤「何時か必ず、奪ってやる。Aを俺の物に。」