【s/k/z】s/k/zのs*t*a*yの話【男主】

#78 CM撮影(3/4) ページ10

監督の一声の後、わぁ…と歓声が巻き起こって、画面上のイオがフニャ、と笑う。




ﾄﾞｷｯ
STF「！？」



…何なのよ、今の


別人のような雰囲気に、気がつけば鳥肌がたっていたらしい。



髪の毛をセットし直されている彼と、先輩方が打ち合わせをしている姿を見て慌てて傍に寄る。



「ーー…だから、次もう少し同じカットを撮って、このカットの撮影に移るよ。

で、このカットはちょうど今来たコイツが提案したから、説明してもらうね」


STF「っ！！、よ、よろしくお願いします」



いきなり話を振られて慌てながらも、次のカットの説明を始める。



STF「…このカットではウォータープルーフのアピールのために水に濡れてもらうんですが、そのまま口紅を塗って…」


IO🦦「おお〜…凄いかっこいいですね…！👏👏」


STF「っ…あ、ありがとうございます」




純粋な目で私を見るから、変に声が裏返ってしまう。

なんなの本当に…さっきとまるで別人じゃない…




「では準備しますね〜」


「お湯を用意してますが…寒くなったら言ってくださいね」


IO🦦「ありがとうございます〜☺」




STF「…」


「どうだ、おもしろいだろアイツ。」

STF「先輩…」


メイク陣に囲まれる彼を眺めていたら、不意に先輩が話しかけてきた。

その目はすごく優し気で、自分が悪いことをしてるみたいな、そんな気持ちになる。



「俺も最初はな、アイドルなんて…って思ってたんだが、アイツは愛想も良いしキメるときはキメる男だよ。

だからもしやりたいことがあんなら、アイツは良い練習台になるだろうな。」


初仕事頑張れよ


そう言い残した先輩。




そうだ、これは私の初めての仕事…最高のものを届けなきゃ…

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