すとぷりの副リーダーですが何か？３【すとぷり】

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ＲｏＮｙside



うちの母の家系は癌で命を落としていた。

だから、自分も癌で死ぬのかなってぼんやりと子供の頃から考えていた。


また、ある友達は言った。

『Aは心臓病で40歳くらいで死ぬ』って。

悪意があった訳じゃない。

ただノリで言ってたことだから気にしなかったし、周りで聞いてた友達も笑っていた。



だから、死因が癌であれ心臓病であれ、早死するんだろうな、ってずっと思って生きてきた。

生きれても、50歳いけるのかな、なんて。

持病もいくつかほっといて生きてたし。



でもさ、このタイミングでこうなるとは思わないじゃない？




「申し訳ありませんが、手の施しようがありません。
１ヶ月。もってもそれが限界でしょう。」



目の前の医師から、うっすら涙を浮かべながらそう告げられる。

その後ろにいるあゆは手を握りしめてて。

隣に座っていたさとみは椅子を派手に倒しながら目の前の医師に詰め寄った。



『...さとみ、座ってよ。
あんたが死ぬわけじゃないんだからさ。』



はぁ、とため息をついて椅子を戻してやると、何か言いたげな顔をしながらも大人しく座ってくれた。



『延命治療はいりません。
痛み止めだけください。』


「A！」


『あと、このことはこの4人だけのナイショってことで。』



ありがとうございます、と頭を下げてさとみの手を引き、診察室から出た。



『さて、早くリハに戻らないとね。
急に吐血したのは本当に失態だったなぁ。
ちゃんと誤魔化しきれるかな？』



待合室に向かいながらさとみに話しかけるが、返事がない。

不思議に思いながら顔を覗き込もうとすると、そのまま視界が暗転する。

胸いっぱいに広がるさとみの香りで、抱きしめられてるとわかる。



『さとみ、』


「なんでそんな他人事なんだよ...。」


『前に話したでしょ。』


「なんで生きようとしてくれないんだよ。」


『だって無理だって言われたじゃん。』


「っ......。」



息を飲むような声と共に抱きしめる力が増し、骨が軋むんじゃないかと思った。

動けそうにないさとみの背中を撫でながら、これからについて考える。


ライブのリハ中、急に吐血してしまった私は救急車を呼ばれ緊急搬送されたのだとか。

目を覚ますと検査は一通り終わっていて、付き添いのさとみと一緒に結果を聞いたら上の通り。

余命宣告をされてしまった。


神様、あなたは本当に悪戯好きですね。

死ぬなら心から死にたいと思った時で良かったのに。

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