ハートの国のアリス［名前固定］ (ページ23)

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アリスがいたときの学園生活Ⅰ ページ23

「アリス先輩！」

「……？貴方は？」

「私はセシル＝ネイビー！貴女のことが嫌いですから！よろしくお願いします！」

　私はつい面食らってしまった。
　いきなり声をかけられて、開口一番「嫌い」とは。

「は、はあ」

　私は目を見開いて頷くしかなかった。いや、慣れてはいるのだが、困る。まさか面と向かって嫌い、というとは思わなかった。予想外だ。
　そして、先輩と言っていることを見ると、おそらく後輩なのだろうが。
　なぜ嫌いな相手に「よろしくお願いします」？普通はよろしくしたらダメでしょう。

「私、貴女みたいなスカした人嫌いなんです」

　そして嫌いな理由もしっかり言っていくって……。

「はあ」

　気の抜けた返事をしたけれど、相手の子は気にした様子もなく、

「それでは！」

　ぺこりとお辞儀をして去っていく。

「あれ、アリス。どうしたの？」
「えーと……」

「あの子、奨学生のセシル＝ネイビーだよね？結構有名な子だよ」

「そ、そうなの……。変わった子ね」

　そうとしか言えなかった。

「何の用だったの？」
「さあ……。自己紹介？」
「……何で？」
「……さあ」