遊園地に余所者が来たようです�� ページ16
私、そんなに男に見えますか？ ねえ！
血を吐くような思いですよ！ この茶色いベスト、グレーのズボン。金髪碧眼！
髪、短いですけど！ そんなに男に見えますかっ！！！！
「私、男ではっ――」
「俺はボリス＝エレイ。よろしくな、余所者さん」
無視ですか。無視ですか。
もう弁解することをあきらめ、私も自己紹介をすることにしました。
「私、セシル＝ネイビーと、いいます。余所者呼び以外なら、どうとでも呼んでくださって構いません……」
もう、疲れました……。
しかしボリスと名乗った少年はにっこりと元気よく笑って、
「あ、そうだ。俺、この遊園地に居候してるんだ。少しは融通利くしさ、一緒に遊んでこうぜ」
「はあ。すみません、やっぱりお金を払わないで入るというのは……。それに従業員の方が何か聞きに行ってくださったそうでして……」
「あ、来たよ。あいつらかな」
彼が指差した方向を見ると、本当に来ました。
改めて見ると変な服ですねー。
そして息を切らしてきた二人の後ろには、馬のバッジを付けた優しそうなおじさんがいました。でも何でしょう、あの三つ編みは。
黄色い奇抜なファッションが目を惹きます。髪の色は人好きのする暖かい茶色、といったところでしょうか。
「おっ。あんたか。……うんうん。やっぱり俺の勘は間違ってなかったな。やっぱり面白いことだったぜ」
「おっさんの勘なんて耄碌してそうで当てになんねーよ。それよりおっさん。この子余所者でさ。さっき来たばっかだから金がないんだって。」
「へえ……。そりゃ大変だな。俺はこの遊園地のオーナーで、ゴーランドだ。あんた、名前は？」
「せ、セシル＝ネイビーです。よろしくお願いします！」
ぺこりと頭を下げる私の頭をくしゃりと撫で、にかっと笑うと、
「よろしくな、セシル」
おおっ…。まともそう！
一番まともそうな笑顔です！
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作者名：フェン | 作成日時：2014年7月7日 22時
