遊園地に余所者が来たようです ページ15
「ここは……遊園地ですか？」
「「そうで〜す！」」
て、テンション高いですね……。
そう、ここは遊園地です。ジェットコースターから聞こえてくる悲鳴、メリーゴーランドから響く明るい音楽。それらすべてが私の心を躍らせます。
遊園地なんていつぶりでしょう。まだ寄宿学校に入る前に、兄さんと拾ったチケットで遊びに行ったのが、最初で最後でしたかねえ。懐かしいなあ。
今、入場ゲート前なのですが……。
お金がないのでねえ。どちらにせよ入れないんですよね……。
「オーナーに頼めば融通利かせてくれますよ！」
「そうですよ！ 少し待っててくださいね！」
あ、行っちゃいました……。
やけにテンション高い男女のスタッフさんが行ってしまって、なんとなく行き場を失ってしまい
ました。ほら、厚意を振って消えるのって失礼じゃないですか。
太陽の光にきらきらとゲートが光ります。
楽しそうですね……。
「あれ、あんたどうしたの？ もしかしてお金が無くて入れない、とか？」
声をかけられて振り向くと、もう一度驚愕が襲いました。
ショッキングピンクのファーにパンクな腹出しルック。ピンク色の髪！ 目元の……？
そして何より！ 猫耳としっぽ！
じゅ、獣人二人目…。
わ、私そんなに動物が特別好きというわけでは……。いや、好きですけど。私はハムスターの方が……。
呆然と彼を見つめる私。彼は訝しげに顔を覗き込み、くんくん、と鼻を利かせました。
「あれ？ もしかしてあんたも余所者？」
「は、はい」
「そっか！ やっぱりね。いい匂いがするもんな、あんた。……男にしては、さ」
またですかっ……！！！(吐血)
遊園地に余所者が来たようです�侠�←帽子屋ファミリーと余所者��
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作者名：フェン | 作成日時：2014年7月7日 22時
