まだ好きだから

◎ 隠し事 ページ27

You side




私ってほんと、 嫌な女。









もう私たちは終わってるのに。


陸くんの優しさに漬け込んでこんな事になって。








陸くんに抱きしめられてる時はなんだか昔に戻ったような気持ちになったけど


すぐに現実に戻された。








「 私なに言ってんだろ 」





「 ごめんね、馬鹿なこと言って 」








陸くんの腕からすり抜け


ドアの方に向かう。









… こんなの噂になったら陸くんが可哀想。









陸「 ちょ、 Aっ 」







後ろから陸くんの声がしたけどそのまま走って帰ろうとしてたら


ドン 、と誰かにぶつかった。







「 っ、ごめんなさい ！」





壱馬「 Aちゃん！…平気？ 」






前を見ないで走ってたら思いっきりライブ終わりの壱馬くんに衝突。


壱馬くんが支えてくれて 転ばないで済んだ。



細く見えるけど ちゃんと鍛えてるんだなあ。
って思っちゃった。






「 大丈夫です 、壱馬くんは？ 」






壱馬「 俺は男やし平気。…つーかAちゃん顔近くない？照れるわ。」







「 あ〜 距離感バカなんですよね私…。気をつけますう 」




その瞬間私の後ろから




陸「 A？ 」







壱馬「あ、陸さん。」









壱馬「 なんか2人で話してたんすか？ 」









「 ん、ちょっとだけね。」









壱馬「 あ、Aちゃん。今度店行きたいからライン教えて貰っていい？」









「 来てくれるんですか！嬉しい。」









サラッとラインの交換をする壱馬くんと私。


慣れてるな〜、ほんと。









壱馬「 っしゃ！ 連絡するね！ありがとうな 」









「 こちらこそ。今日はありがとうございました。陸くんも壱馬くんもキラキラしてました！！」









「 じゃあまた事務所で。」









陸くんの顔を見たらまた涙が溢れてきそうな気がして。

目を合わせられなかった。









ほんと、だめな女。









未練がましいよね。








忘れて次の恋愛に進まなきゃなぁ。









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