高嶺の花 (ページ34)

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◎ すっぴんページ34

壱馬 side

『シャワーありがとうございます、』

「いーえ。」

「…ノーセット幼。中学生かと思った」

『はぁ？』

『 A先輩のすっぴんだって … 』

あぁダメだ、可愛い。

透明感。

少し幼くなってるけどやっぱ綺麗な先輩。

『 …可愛いっすいつも通り』

「悪口言われんのかと思った。」

『このスウェット誰のですか』

明らかに男物のスウェット。

「あーそれね、陸の。萩花と陸たまに遊びに来るからさ。陸自分で持ってきてた奴。」

『 …何、青山陸と泊まりしてんの、先輩』

「萩花に付いてくるんだもん、陸と陣くん。たまに泊まってくよ」

『こうやってすぐ男の事家にあげてんの？』

ソファで2人で並んで座ってる状態。

…何だか無性にイライラして。

「そんな訳ないじゃん」

『 … すっげーやだ。』

『青山陸と仲良くしてるのも、藤原に言い寄られてんのも、さっき会った元彼も全部。』

『 A先輩は、好きでもない奴の事2人きりで家にあげんの？』

前を向いてた先輩が急に俺の方を向いて、

「 … 私さ、人が離れてくのが怖いんだよね。」

「両親だって私が小学生の頃に離婚してね、お父さんとお母さんはずっと一緒にいるものだと思ってたけど違ったみたい。」

「 …さっき会った亜嵐もね。結構本気で好きだったのに浮気されてて。もー笑っちゃうよね。」

「だからずっと一緒とか、ずっと好きでいるとか、そんなの無いんだろうなって思って。」

話してる間 A先輩は笑ってたけど泣いてるようにも見えて。

思わず抱き締めた。

「っ… 」

『 … そんなん決めつけんなよ』

『前から好きって言ってるやん。俺の事他の奴らと一緒にせんといて、』

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