高嶺の花 (ページ11)

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◎ 天然？ページ11

壱馬 side

昼休み。

いつもの奴らで飯を食ってたら

教室がザワザワ、としだしたから扉の方を見てみると。

翔吾「え？？？あ、A先輩じゃん！」

北人「 …マジじゃん。」

もしかして、俺？

俺の事探してるっぽいけど、

カズマ、って名前呼んで欲しくて。

気付いてないフリしてみた。

すると俺の事見つけたっぽくて。

「ねえ。呼んで欲しい子いるんだけどいい？」

扉の近くに座ってた男子に話し掛けてる。

男「えっ！あっ、はい！誰呼べばいいっすか？！」

ニヤニヤしてんじゃねえよ佐藤。

「んーとね、あの。アレ。あの3人組の。1番チャラそうな奴。」

男「ああ、川村か！おーいかずま、呼んでるよ！」

・

『チャラそうな奴ってなんすか、聞こえてたんですけど。』

「人の名前覚えるの苦手すぎるんだよねえ」

「ていうかやっと見つけた。5組か。」

『え、何まさか1クラスずつ俺の事探してたんすか？』

「え、うん。大変だった。私の昼休みなくなる。」

『別の方法なかったんすか…』

天然っつーかアホなのか。

こんな美人からはそんな想像できんわ。

「あ、そうだ。傘ありがとうね」

風邪ひいてない？って俺に聞いてくる先輩。

俺より10センチは低い身長。少しだけ上目遣いになってんの。

ダメだ、なんでこんな可愛いん？

『いーえ、引いてないっすよ。』

「それは良かった。じゃ、お昼食べなきゃだし。行くね。」

『あ、そうだ。じゃあこれだけ覚えてってください』

『手、貸して』

ん、と名前先輩の手が俺に差し出される。

指長くて細くて白くてめっちゃ綺麗なんやけど。は？

そこら辺にあった油性ペン(重要)で

先輩の手の甲に「カズマ」って書いといた。

「…なんのイジメ？それ油性だよね？」

『名前そろそろ覚えて欲しいんで。消える前には覚えてくださいね。』

「しかも割とでかいし目立つんだけど恥ずかしいんだけど。嫌でも覚えそう。」

『俺の作戦勝ちっすね』

「じゃあね生意気くん」

・