ページ ページ17
「オカルトだけど、実績はある方だよ」
形はほぼヴィジャボードであるそれは、数ある眉唾アイテムのなかでも活躍したことがあるらしい。
指示板に件の炭素化合物を塗り、手順を整えて文字盤へ置く。
「Aか誰か、いますか」
イルミの問いかけが部屋に響く。
数秒経過したがなにも起きない。期待してはいなかったが少しがっかりな思いだ。ヒソカに至っては見るからに肩を落としていた。
「……片づけようか」
しまおうとするイルミの指先の下を指示板が移動する。
YES
「！ A◇」
今度は指示板は動かない。
「連続してYESなら分かりにくい」
そう言ってアイザックはYESの文字の隣に丸印を書き足す。
「……Aならマルに♤」
指示板はのろのろと丸印の上に移動した。
「どこにいるの♧」
しばらく動かないでいた指示板は、ゆっくりとボードの隅へ向かう。
「この先ってこと？」
うろうろとの表現が合う様子で向きを変えた。首を振っているような動きにアイザックの勘が働く。
「NOが遠いか？ これでどうだ」
YESのすぐ下にNOを書き足してやると、指示板はそちらへ移動する。
「場所は分からねえか」
一分間沈黙した後、YESが選ばれた。
その後三分ほどかけて示された文字は「つかれた」であった。
疲れた、憑かれた。それともヒソカに負わされた傷の突かれたを指している？ 三人とも一番心配したのは、交信拒否の意での「疲れた」だ。
この呪術は強制的に相手に返答させる作用を持っていた。
「……A、また連絡する」
藤たに退店時と同じセリフがイルミの口から聞かれる。指示板はゆっくりとマルの上に乗った。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルイ(プロフ) - mooさん» 通知がすごすぎてコメントに気付きませんでした🙏🏻複数作品お読み頂き&コメントもありがとうございます！楽しんで頂けたなら嬉しいです！ (2023年5月9日 12時) (
レス) id: 1984ade8f5 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白かったです！ (2023年5月9日 4時) (レス) @page45 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルイ | 作成日時：2022年4月19日 17時
