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「A、また消えないうちにしっかり確保されてくれる?」
イルミから、なんの標的かと思わせる物騒な言葉が聞かれる。
「はぁ〜これでオレ、ずっと機嫌の悪い彼らから解放されるよ」
慌てて彼女の体を調べているヒソカとクロロのことを指しているのだろう、シャルナークがちょっとおどけて笑いかけた。
「A、藤たにに移動しよう◇」
「……店か家じゃないって事実が怖い」
「……今、ヴィーナスの誕生って絵が思い浮かんでる♤」
「あ〜あの、裸で迎えに来てもらうやつ」
「そうだよ、まさにそれ♤」
アナタのためにハイブランドのストールを持ってくるべきだった、そうつぶやくヒソカは自分の上着をAに着せる。
裸じゃないんだけどなぁと目だけで突っ込んでいる彼女は、彼らにとっては急いで保護してやらなくてはいけない儚い存在に見えた。
全身が雪解けの湿気に包まれたように濡れている彼女の手には、同じく濡れて、文字が読めなくなっている紙が握られていた。
「滲んで読めない……最後、〜〜を込めて、かな?」
癖字だね、うちの家族みんな字は綺麗だから。ナチュラルにマウントを取ってくるイルミが解読した結果、数行なにか書いてあるようだがどうにも読めない。
「あ〜……無理して読まなくて良いかもね」
Aは朧げな記憶からこの紙への考察を切り上げた。
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ルイ(プロフ) - mooさん» 通知がすごすぎてコメントに気付きませんでした🙏🏻複数作品お読み頂き&コメントもありがとうございます!楽しんで頂けたなら嬉しいです! (5月9日 12時) (レス) id: 1984ade8f5 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 面白かったです! (5月9日 4時) (レス) @page45 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルイ | 作成日時:2022年4月19日 17時