・ ページ10
・
白石side
早速ケーキを取り出して俺に渡す先輩の顔には、食べたいって書いてたけど、我慢してはったから遠慮なく食べることにした。
白「おお！めっちゃ旨いで！」
「良かった」
白「…あっ、先輩。これ付けましょ」
俺がそう言って渡したのは、ゲームセンターで取ったお揃いのストラップ。
俺は自分のカバンに付けた。
隣の先輩を見ると、何処にも付けずに、ただ手元で握っているだけだった。
白「どないしはったんです？」
「………今日、蔵の誕生日だよね？」
白「……そうですけど…」
「私っ、「俺にばっかいろいろしてもろてる」
……！」
白「おっ、当たってました？」
先輩が、納得できないような顔で俺を見たから、言う事が分かって被せてしもた。
まあ、満足そうな顔してへんかったから。
先輩の事やし、また何も出来なかったって思うてるんやなって分かった。
白「ストラップも俺に取ってもろたとか、エスコートとか言ったけど逆に俺からエスコートされたとか………とか辺りやな」
「…っ、蔵の誕生日だから、蔵の行きたいとこ行って好きな事させて…って考えてたのに、
蔵は何処でもいいって言うし、ストラップは私が選んだ奴だし、ケーキも何でもいいって言うから……
私何も出来てない…っ」
そう行ってスカートの裾を握りしめる先輩。
俺は先輩に顔を上げるよう促す。
その時の先輩の表情は、悔しそうな、不満そうな……今までで見た事ない表情だった。
「…」
白「…先輩。俺、A先輩と一緒なら何処でもええし、何でも良かったんです。
先輩が隣にいるっちゅー事が俺への最高のプレゼントやで」
「…！」
白「…でも、先輩にそないな顔させたんは、俺のせいやな…
…すんません」
俺は先輩に頭を下げた。
するとその時、首に何か暖かい物を巻かれた。
瞑っていた目を開けて、首元に手を伸ばすと、マフラーが巻いてあった。
白「…！これ…」
「……編んだの。でも、少し失敗しちゃって…時間なかったから今日買おうと思ってたんだけど、楽しすぎて忘れてた」
所々ほつれている、その青いマフラー。
でも、それが嬉しかった。
白「……泣いてええ？」
「いいよ。ん」
先輩は腕を広げた。
もう遠慮なく抱きついた。
ああもうシャンプーええ匂いやで…
白「…ほんまにおおきに」
「うん。蔵大好き」
白「ファッ！？」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
妄想女子：ムーン(プロフ) - リクで、夢主ちゃんが「ほんわか系女子」じゃなくて、「イケメン系女子」というのを、お願いします！続き楽しみにしてます！力まずマイペースに頑張ってください！ (2017年8月20日 22時) (
レス) id: 3b8fbee2b4 (このIDを非表示/違反報告)
永眠少女 - リクで、「もしも主人公が跡部と幼馴染だったら」というのをお願いします(._.)ﾍﾟｺ 四天宝寺にいたころ、たまたま合同合宿で再開したっていう設定で☆いつも読ませてもらってます。頑張ってください！ (2017年7月8日 21時) (レス) id: 8cc207262d (このIDを非表示/違反報告)
栗ようかん(プロフ) - 龍神邪炎さん» どっちも頑張りますよ〜(≧∀≦)リクありがとうございます！！ (2017年7月8日 12時) (レス) id: 2cd9c9184b (このIDを非表示/違反報告)
栗ようかん(プロフ) - 風鈴さん» リクありがとうございます！オッケーです(｀・ω・´) (2017年7月8日 12時) (レス) id: 2cd9c9184b (このIDを非表示/違反報告)
風鈴 - リクエストで、「主人公が色んな学校に偵察しに行ったら」というのお願いします！これからも頑張ってください！！ (2017年7月3日 18時) (レス) id: ca65044385 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
