episode73 ページ28
それは私も聞いたことのないジョンハンとジスの話
アメリカから来たジスは周りから見れば凄く浮いた存在だったという。
クラスメイトの前での自己紹介でさえもおぼつかない韓国語で話していたという
私が知っている男前で綺麗な容姿とは違ったとジョンハンは話す
両親とも韓国人だというのに住んでいた環境が違うせいか、それがストレスだったのかもしれない
ふっくらしていた顔が痩せる頃になると周りの女子はジスに興味を持ち始めた
ジョンハン:付き合ったりしないんだ、お前
ジス:勉強しなきゃいけないから彼女に消費する時間が無いよ。
俺と違って勉強家でいつも何かに追われている日々を過ごしていた
父親が大学病院の院長ということもあり、一人息子のジスは期待されていたんだと思う
彼女など作らなくてもいずれこいつのことだ。父親の紹介で金持ちの綺麗なお嬢様と結婚するんだろう
客観的にそう思っていたが当事者のジスもそれを理解していたから彼女は作らなかった
振り回されてばかりのジスはそれでも愚痴を漏らすことはなかった
努力した分、夢へと繋がる
俺からすればその姿に嫉妬していた
要領はいい方だと自分でも思っていた。だからジスが苦手な教科では俺のほうが成績がいいこともあった
だけど勉強を頑張っても俺は将来の夢ははっきりと分からないまま年を重ねていた
ジス:ジョンハン、進路白紙で出したんだって？
高校3年になると憂鬱な毎日が増えた。
教室ではピリついた重い空気の中でろくに寝られもしない
校庭の端にある木の下で横になっているとわざわざ俺を探してジスは来た
ジョンハン:いいよな。ジスは医大に行って医者になるって明確に分かっていて
嫌味たらしく言ったつもりだ
てっきりいつもみたいにヘラヘラと笑顔でも浮かべるものかと思っていたら違った
ジス:…さっきも言われたよ。「模範生」って先生に言われて、笑い堪えるのに必死だったよ
それまで俺も周りと同じでジスは優秀で、優しくて、頼りになる
そんな上っ面な部分しか見てなかった
ジス:僕、ジョンハンが思ってるような人間じゃないよ
そんな上っ面の仮面が壊れたようにジスは嘲笑していた
人からの評価を人一倍気にしていたがそんなことは決して口にはしたことなかった
ジスは無理に笑っているのにどこか傷ついたような顔をしていたのを28になった今でも覚えている
ジス:ジョンハン、夢がないってことは何にでもなれるってことなんだよ。
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ジェリー(プロフ) - はじめまして。沢山更新されていたので、久しぶり最初から読み返しました。考えさせられることが沢山あり、泣きそうになりました。更新楽しみに待ってます！ (2021年5月14日 6時) (
レス) id: a4ccdce64b (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - 内容がとっても濃くて、引き込まれて一気読みしてしまいました涙ジュンピと再会、、。みんな幸せになって欲しいです、。更新大変だと思いますが応援してます！！ (2021年5月8日 21時) (レス) id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっこちゃん
| 作成日時：2021年4月8日 18時
