episode68 ページ23
ジュンがあの男の元へ戻って1か月が過ぎた
城ヶ崎さんに食事に誘われることはぴたりと無くなった。
きっと宮野さんに何か言われたのだろう、だから田中さんには好都合だ
相変わらず田中さんの宮野さんに対するアプローチは止まない
私はと言えば仕事が繁盛期に入り怒涛の毎日だ
職場の人間とは変わらない関係。田中さんとも変わらず。
出勤したと思えば気付くと退勤時間
疲れて溜息一つつきながら退社すると、そこにはあの人がいた
「びっくりした…」
白銀の長髪が印象的だった男はすっかり大人の男性へと成長したものだ。
私より長かったあの髪もバッサリ。
男性らしい短髪の黒髪姿に変貌しているのだから
「何でここ分かったの？誰にも言ってないんだけど。」
ジョンハン:会社がここのお得意さんなんだよ。付き添った時にお前見かけたから
銀行の裏口に立っているのだから驚きもする
前に再会した時は韓国語しか口にしなかったが彼は流暢に日本語を話す
私が日本語講師をしていた時は韓国人特有の発音に躓いていたのに。
「韓国料理でも行く？こっち来て行った？」
ジョンハン:行ってない
日本に帰国してもう数年経つが韓国料理屋に訪れたことはない
故意に避けていたわけではなく、なんとなく
タクシーで新大久保に向かうと高校生ぐらいの学生たちが大半
そういやテレビで若者の街だとか言ってたっけ
タクシーが駅前に着いた頃には既に19時を回っており丁度混雑している時間帯。
人の多さに顔をしかめるジョンハン。私も同様だ
降りてすぐにある韓国風の居酒屋に入るとネオンライトが光る照明の薄暗い店内だった
空いていた席に腰かけると周りの若い客は彼の方へ視線を向けていた
分かる。見てしまうよな、こんな綺麗な顔立ちの韓国人。
特に新大久保に集まる子たちは韓国の文化やファッションに憧れがあるのだから
二人とも瓶ビールを頼み、届いて直ぐに喉を通す
「はー…美味しい。」
仕事終わりに外食するのなんていつぶりだろう
いつもへとへとに疲れてコンビニのご飯だったからなあ…
ジョンハン:疲れてるな。顔
「うん？最近忙しいからねー…」
こうしてジョンハンと二人きりで飲むのは初めてだ
それも当然だ
この人とは共通の思い出しかない
大体日が暮れたこの時間に集合して終電ギリギリまで飲んでいた
私と、ジョンハンと
…
ジョンハン:…お前のこと見つけた時、生きてたってなんか反射的に出た。
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ジェリー(プロフ) - はじめまして。沢山更新されていたので、久しぶり最初から読み返しました。考えさせられることが沢山あり、泣きそうになりました。更新楽しみに待ってます！ (2021年5月14日 6時) (
レス) id: a4ccdce64b (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - 内容がとっても濃くて、引き込まれて一気読みしてしまいました涙ジュンピと再会、、。みんな幸せになって欲しいです、。更新大変だと思いますが応援してます！！ (2021年5月8日 21時) (レス) id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっこちゃん
| 作成日時：2021年4月8日 18時
