episode58 ページ13
それからどうしていたっけ
祖母が亡くなって何度泣いても泣いても涙が止まらなかった
人の死に対面するのは初めてではない
だけど僕をあんなに愛してくれた人を失った瞬間
もうその瞬間から時空が歪んだような、そんなよく分からない感覚に襲われた
1か月ほどは祖母の家で生活していたが安定した収入もない。
収入のために働こうともしたがどこも中国人を雇ってはくれなかった
資格もない外国人を雇う余裕などない
そんな現実を日本に来て1年半ほどで知る。
行き場のなくなった僕は日が暮れて人通りの少なくなった駅前でぼーっと立っていた
今日食べるお金も無い。
ラーメン屋から漂う匂いにお腹が鳴りやまない
明日からどうやって生活して生きていこう
『…猫。』
ベンチに座り込んでいた僕の足元に一匹の猫が寄ってきた
ごめんね…
食べさせるもの何もないんだ、僕もしばらく何も食べてないよ。
宥めるようにその猫を撫でるとまるで自分を見ているようだった
僕も野良みたいなものかあ…
日本から中国に帰るお金も無い。いや、仮にあったとしても絶対帰りたくない
周りの日本人の人は哀れだと思っているのだろうか
パッと見ただけで中国人か日本人かなんて分からないと思う
溜息を一つつき、寝る場所を探そうとした時
�爐佑─７�もしかして家出？”
パーカーの袖を掴んでそう言われた。
袖を掴むその手を見ると見たことのないピンク色の派手なネイル
黒髪に煌びやかな化粧をした顔に、スキニーパンツにTシャツ姿のお姉さん。
足元は何センチもあるヒールを履いている
何で声をかけてきたのかは分からない
『…家出じゃないです』
�爐奸爾鵝２法�ご飯食べてなかったら食べさせてあげるよ”
その言葉に飛びついた。
見ず知らずのお姉さんだが、親切な人がいるものだ
腹を満たすことばかり考えていた僕は他のことは何も考えられなかった
そのお姉さんは自分の家まで僕を連れてきた
祖母の家より広いアパートで、玄関のドアを開けると鼻を衝く香水の香りが広がった
�爐討�とーに座ってて”
ピンクと黒で統一されているリビングには大きなベッドが置かれている
その横にあるサイドテーブルには灰皿に山のように吸い殻が積んである
『…いただきます』
お姉さんが出してくれたのは即席のラーメンだった。
僕が食べている間ずっと目の前で煙草を吸うそのお姉さん
�猝樵阿覆鵑討いΔ痢�”
『僕の名前は…』
・
�爐悄次�ジュン？”
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ジェリー(プロフ) - はじめまして。沢山更新されていたので、久しぶり最初から読み返しました。考えさせられることが沢山あり、泣きそうになりました。更新楽しみに待ってます！ (2021年5月14日 6時) (
レス) id: a4ccdce64b (このIDを非表示/違反報告)
ジンリ(プロフ) - 内容がとっても濃くて、引き込まれて一気読みしてしまいました涙ジュンピと再会、、。みんな幸せになって欲しいです、。更新大変だと思いますが応援してます！！ (2021年5月8日 21時) (レス) id: 2abf938477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やっこちゃん
| 作成日時：2021年4月8日 18時
