微笑がおちて＿ (ページ5)

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御託を並べて 4 ページ5

突然川俣から連絡が来た

ガク［日曜の19:00くらいに横浜駅らへん行ける？］

A［まあ、空いてるから行けるけど］

ガク［OK じゃあよろしく］

相変わらず淡白なやりとり
けれど久しぶりに会えるとなると胸が高まる

そしてついに当日
時刻は18:55
帰宅ラッシュのせいか横浜駅はいつも以上に騒がしくて

もう着いたという連絡をもらったから
人混みをかき分けて川俣を探す

「あ！川俣ーー！」

「お、A いきなり呼び出してごめん」

「なんでいきなり呼び出したん？笑」

「別に、深い意味とかはないけど」
「最近話せてなかったから久しぶりにと思って」

「そ、そっか…///」
「と！とりあえずみなとみらいらへん行く？」

「そ、そうだね行こっか」

幼なじみとは思えないほどぎこちない会話
いつもと違う川俣の様子に少しだけ期待してみる

「うわあ、やっぱいつ見ても綺麗」

夜景が綺麗なみなとみらい、キラキラと輝く水面
なのに少し虚ろな目をしているあなた
いつもなら楽しそうに笑うのに

ベンチに座りながら横浜の夜景を見つめる
会話も弾まないし川俣も喋りかけてこないからそろそろ帰るか…

まあ、こんなもんだよね期待なんて持つだけ無駄

「ねえ、川俣なにもないならちょっと私帰るね…？」

ベンチから立ち上がった、目の前には美しい景色
目が潤んで光が滲む悲しくてもそれは少しきれいで

「また…ね…っ」

私は上手く喋れていただろうか
泣いているなんてバレたくないから足早にその場を立ち去ろう

「A、待って。」

「伝えたいことあるから」

手を捕まれた離したくないという気持ちが指先から伝わってくる

「そのずっと前からAのことが好きこんな僕だけど付き合って欲しい」

見つめ合う目と目私たちだけゆっくり流れる時間

「私も、その好き」

横浜の海風が包みこむ
これからの2人の船出を祝福するように