お金を使わない凄腕メカニックの話 (ページ9)

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帰る時の笑顔がすきページ9

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ずっとkamitoさんと世間話をしていた。

「kamitoさーん、終わったよ」

全ての作業が終わったようで、れんが工具箱を作業台に置いた。

『これが請求書になります』

カスタム部分や修理、改造した部分のパーツやらの金額。値は極限まで抑える。

「そして、kanu's特典でいくらかはこちらで補填できます。この値段の20%はkanu'sで補填致します」

「はーい、次の日までには支払っておきます」

ワクワクしてるであろう足取りで車の運転席に乗り、ワクワクでエンジンをかけるkamitoさん。
確かエンジン周りも、大幅に改造されているはず。

試乗で周りを走ってくるという。外で嬉しそうな雄叫びが聞こえたのはおそらく気のせいだろう。

「ふい～、終わった終わった」

『もし改造するところがあったらボク行くから休んでていいよ』

「あ、ほんと？助かる～」

れんがソファに座ると、試乗していたkamitoさんが戻ってきた。満足そうな笑みで。

『どうでした？』

「いやあもうめちゃくちゃ良かったです！もう満足！！」

『じゃあ、なんかカスタムしたいとか思ったら割引するのでぜひ来てくださいね』

「まじすか！ありがとうございます！れんさんよーさん！」

「は～い、ばいばい～」

お客が喜んで帰る時の笑顔が1番と言っていいほど嬉しい。

まだ空には明かりが残っている。

kanu'sから、一人お客さんが去っていった。

夜にはここは溜まり場となる。

kamitoさんが帰ってから数分しか経っていないが、ここにはすでに4人集まっている。釈迦さん、叶さん、らっだぁさん、とろろだ。

おそらくまだ増えるだろうけど。

「れんー！よーさんー！来たよぉー！」

昼間の休憩時間にここに来ると言っていたひなーのが来た。

今日もたくさん救急隊の仕事があったのだろう。少し疲れ切っているようだ。

「いらっしゃあい、ひなーの」

すぐにバイクを降りて、駆け寄ってくる。そしてテーブルに置いてあったポテチを数枚手に取り、おいしーと呟いた。

「え、ひなーのお昼食べてないの？」

「そうなのぉ、救急隊の仕事が忙しくてぇ」

『じゃあなんか買ってくるか。うちの冷蔵庫ロクな物ないし。みんな何がいい？』

この近くにコンビニがあるので、各々の希望を聞き、叶さんと一緒にkanu'sを出た。

バイクでもいいが、ここは歩きでもいいなと思い、歩きでコンビニへ向かった。