お客とおはなし ページ8
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『れん、これカスタム内容』
「んあ、ありがとー。Aは休憩してていいよ」
『せんきゅー、お言葉に甘えてー』
これだけの修理や改造があれば、おそらく2時間はかかるだろう。冷蔵庫からお茶を取り出し、kamitoさんに差し出す。
『どーぞ、お茶。2時間はかかるよ』
「あざまーす」
ソファにがくんと座る。kamitoさんは自宅でもないからか、少し畏まっている。
『そんな畏まらなくて大丈夫。それにそうやるの疲れるでしょ、いつもの自分でいいんだよ』
そう言うと、緊張?が解れたようで、ソファの背もたれに背をついた。
「ありがとうございますぅ、なんか久しぶりすぎて緊張しちゃって」
『まあなりますよねぇ、ボクも人見知りだし』
「うそぉ!」
『お仕事だから割り切れてるだけですよ、まあここに来るのは顔見知りしかいないんですけど』
「顔見知りの方が助かるかもしれませんねぇ」
『新規の方も、お得意さまの知り合いだったり。完全に一人での新規様は少ないですね』
あとは、警察や保険会社からオススメされて来た、というお客もいる。
「いやぁ、警察の御用達は凄いですね!釈迦さんとか叶さんとかがたまにここの話してますよ」
釈迦さんと叶さんは2人ともここのお得意さまだ。特に警察なので、定期的に点検や修理をしに来てくれる。
お土産をくれることもしばしば。
『うちが特別余裕があっただーけ。れんもカスタムとか、お客のご要望に沿るのうまいしね』
「僕はれんさんのカスタムもよーさんのカスタムもどっちも好きですよ。やっぱれんさんもよーさんもいてkanu'sなんですよ。一人欠けてもダメなんです」
『はは、そう言われたら嬉しいですね。サービスしちゃおっかな』
チラッとれんの方を見ると、もう少しでエンジン周りが終わりそうだった。でも、まだ時間はかかりそうだ。
『あ、kamitoさん飲み物注いできますよ。基本なんでもありますけどなに飲みます?』
「あー、なんとなく水飲みたい気分かも。水お願いできます?」
『はーい、ちょっとお待ちくださいねー』
裏に行き、紙コップに冷えっ冷えの水を注ぐ。そしてれんにはリンゴジュース。
『れん、はいリンゴジュース』
「んあ、ありがとー!助かる」
『はいどーぞ、kamitoさん』
「うめー!冷え冷えなのがいい!水やっぱ最強かもしれない」
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作者名:ふぐれ x他1人 | 作成日時:2023年9月5日 18時