愛よ、僕を導いてゆけ_by_t.y ページ8
A「また明日ね、ゆーや!」
『おう。じゃーな』
手をヒラヒラと振りながらドアの向こうに消えるA。
フーッと一息吐いて俺も隣にある自分の家のドアを開けた。
”幼馴染”
嬉しいようでそうでもないこの関係。
小さな時からいつも一緒で、楽しい事も親に言えないような悩みだって、全部共有してきた。
A「私実は…侑李君が好きなんだよね!」
そんなハンマーで殴られたような衝撃を受けたカミングアウトはいつの事だったか。
A「やっぱりさ!ゆーやには何でも話しておきたいし」
あの時俺は、真っ白になった頭をフル稼働させて何て答えたんだっけ?
Aの想い人は愛くるしい見た目とは逆にすごい真面目で堅実。おまけに頭もいいからもてんだよなー。
堅実なのは女関係でも同じなようで、モテるからって女をとっかえひっかえなんて事はなく。
持ち前の人見知りが手伝って女と喋ってるとこなんてほとんど見たことない。
だからAの恋も発展している様子がないのが救い。
2階にある自分の部屋へ入り、制服のままベッドにダイブ
急に襲ってきた睡魔に微睡んでいると母親によって開け放たれた窓から聞こえるAの声。
A「もしもーし!今日も侑李くんかっこよかったー!」
友達と電話でもしてるのか、聞こえてくる話し声に俺の全神経集中。
A「先生に当てられたけど答えわかんなくてさー!そしたらノートの切れ端にそっと答え書いてくれて! ありがとっていったら”ん。”
って!!もー会話できて最高に幸せだよー!!」
”ん”って会話になんの?
1文字だよ。1文字!
A「席替えしたくないよー!ずっと隣がいいー!」
俺は知念と肩を並べてるお前の姿がよく見える今の席、早く変わりたいけどな。
その後も続く知念の話に痺れを切らして、ベッドから体を起こし窓からAの部屋に向かって一言。
『Aさーん会話まる聞こえですけどー!
』
A「あっゆーや!!ごめんゆーやが盗み聞きしてるから切るねー!うん、ばいばーい!」
『おい!盗み聞きってゆーな!』
いや実際盗み聞きだけどね。
A「ちょっとー乙女の恋話聞くなんて悪趣味ー!あっ!もしかして仲間入りたかった?」
『あほか。窓あけたままバカでかい声で電話してたらイヤでも聞こえるつーの。』
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yurinchi.(プロフ) - コメントありがとうございます。色んな世界感を書きたかったので裕翔くんや伊野尾くんはあえてあぁいう形で書かせていただきました。また短編を書く機会があったら会話のある2人もかけたらなと思います。 (2017年1月18日 13時) (レス) id: d450a284c4 (このIDを非表示/違反報告)
速水よる。(プロフ) - 裕翔くんや慧くんなど、1話だけで終わらせないで夢主さんとの会話とかももう少し入れた方がいいと思いますよ(*´∇`) (2017年1月18日 9時) (レス) id: 36fb1ce31c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurinchi | 作成日時:2016年12月26日 6時