CARnival

walk_by_y.h ページ11

朝起きて、


顔洗って歯磨いて、


えー今日の朝メシなんだったかなー。





いつもと同じ1日のはじまり。






着替えて家出て電車に乗って。







いつもと同じ時間同じ電車。


A「光くんおはよー」


ここにある笑顔もいつもと同じ。








気になるバンドの話、昨日見たTVの話、

たわいもない話であっという間にすぎる時間。









大学の最寄り駅を出て二人並んで歩く。






A「今日気持ちいくらいの青空だねー。あっ！見て飛行機雲！！」




空を見上げまぶしそうに目を細めるA。






広がる青に一筋の白





『ほんとだー。なんか、すげー綺麗だわ』





別に何かが特別なわけじゃない。


ほんとによく見る普通の光景。









でもなんだか今日は





そんな当たり前がすごいような気がして。







A「なんだろー…うまく言えないけど。こういう何でもない日もすごく大切だよ私。」





同じ事を考えてるってだけで嬉しくて。





『おーすげー俺も思ってた！こーゆーのなんていうんだっけ？！あっ！テレポート！』




A「んー。テレパシーじゃないかな？」




『まー似たようなモンじゃね？』







こんなやりとりも日常。









自然と繋がれた手から伝わる体温


同じ歩幅で踏みしめる緑の音


二人の間を抜ける風の匂い







満ちていく二人の毎日。









明日も明後日も


これから先広がる俺らを彩るいくつもの未来を









歩こう、ふたりで。









END

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