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「るぅとはすげえなあ」
突然降ってきた声に、るぅとはビクッと身を震わせる。
慌てて近くの木を見上げると、木の枝にさとみが座っていた。
「さとみくん！？」
へへっと笑ったさとみは、身軽そうに木から飛び降りた。
ヴァルトの森の中。
ころんの家の庭で、るぅとは魔法の練習をしているところだった。
るぅとはさとみがいた場所をまた見上げる。
なかなかの高さだ。
「いつからあんなところにいたの？」
「さあ、いつからでしょう？ ま、そんなことより」
さとみはるぅとの隣に立って、身長を比べる。
「マジで大きくなったな。出会った頃はこーんなだったのに」
地面から十五センチほどの高さに手のひらを置いたさとみ。
るぅとはさとみの頭をはたいた。
「そんなわけないでしょ！」
「いてぇな、そんな叩くなって」
庭が騒がしいことに気づいたらしい。
窓から顔を覗かせたころんは、さとみの姿を見つけて目を丸くした。
「さとみくん、いたなら言ってよ」
「わりぃ、さっき来たんだよ。今はるぅとにいじめられてたところ」
「いじめてなんかない！」
ははは、と笑ったさとみは、すぐに真面目な顔になった。
「ころん、フレッサ王国が動き始めたぞ」
その言葉に、ころんとるぅとも真面目な顔になる。
「……とりあえず家の中に入って。るぅとくんも」
「わかりました」
頷いたさとみとるぅとは、庭から移動し始めた。
るぅとがフレッサ王国から逃げ出して、五年が経っていた。
るぅとも十五歳になり、ころんも二十三歳になっている。
ある程度、フレッサ王国の経済が回復したことも知っていた。
となると、そろそろ動き出してもおかしくないとは思っていた。
ついに来たのか。
三人で揃って椅子に座る。
こうやって何度話したことだろう。
「国王、ジェルが正式にるぅとを探すように命令を出した。ジェルが出したってことになってるが、実際はななもりが出したものだ。るぅとの生死を確定させたいらしい」
理由は何個かあるだろうけど、とさとみはころんの顔を見た。
「わかるか？」
ころんは一口お茶を飲んで、苦笑いした。
「子どもができたのかもね」
え、とるぅとがころんの顔を見る。
「兄上が？」
さとみも苦笑する。
「ジェルは十九歳だ。別におかしくもなんともない」
そっか、兄上が……と呟くるぅと。
少しは思うところがあるらしい。
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翠霞チサ(プロフ) - ねこさん» ありがとうございます、とても嬉しいです！ (2023年2月15日 3時) (
レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - 本当に好きです、何回読んでも飽きません (2023年2月14日 22時) (レス) id: 0464914362 (このIDを非表示/違反報告)
緋桜ひよ子(プロフ) - ナナシさん» わああああ！！ありがとうございます！！！ (2021年10月4日 21時) (レス) id: a44667decb (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ - 緋桜ひよ子さん» え、本当ですか！私としてはもちろん大丈夫ですが、本人様たちには迷惑がかからないようにお願いします…！ (2021年10月4日 21時) (レス) id: 1f91d52096 (このIDを非表示/違反報告)
緋桜ひよ子(プロフ) - あ…あの！こちらの作品のファンアートを描かせて頂けませんか…！？あまりにも素敵な作品なので･････。ダメであれば大丈夫ですので…！ (2021年10月4日 20時) (レス) @page44 id: a44667decb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナシ
| 作成日時：2021年9月22日 2時
