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「うわ、本当にフレッサ王国の王族じゃん」
ベッドで寝ている子どもの顔を覗き込んで、顔をしかめた赤髪の男。
青髪の男は机の上にお茶を置きながら、苦い顔をした。
「だから言ったじゃん。第二王子様だって」
森の中に倒れていた子ども。
用事があって街へ行く途中に見つけたため、一度は見て見ぬふりをしたのだ。
それでもやはり気になって、街でこの赤髪の男に声をかけて戻ってきた。
二人で青髪の男の家まで運び込んで、ベッドに寝かせたところだった。
「あのね、ころちゃん。フレッサ王国では第一王子様が即位されたから、この第二王子様は王弟になるの。王子様じゃなくて、王弟様」
呆れたように言った赤髪の男を見て、首を傾げた「ころちゃん」と呼ばれた青髪の男。
「あれ、そうだっけ。莉犬くんは詳しいね」
ここは、フレッサ王国の隣にあるプラタノ皇国。
二人が今いるのは、フレッサ王国とプラタノ皇国の境界にある、ヴァルトと呼ばれる森の中だった。
「ちゃんと授業で習ったけど。ころちゃんが聞いてなかっただけなんじゃないの」
「いや？ 僕はちゃんと授業は聞いてたよ」
「嘘つき、覚えてないじゃん」
えぇ？ と笑う青髪の男。
男の名前はころんである。
このヴァルトの森に住んでおり、この子どもを拾った張本人だ。
「まあまあ、落ち着いて。座ってお茶でも飲みなよ」
赤髪の男はじとっとした目でころんを見ると、しぶしぶながらも椅子に座った。
この男の名前は莉犬だ。
ころんとは長年の付き合いであり、今日もころんに呼び出された。
普段は街に住んでいるため、ヴァルトにも滅多に来ない。
「どうするつもりなの、ころちゃん。さすがにプラタノ皇国でも隣国の王族は保護してくれないと思うけど」
「わかってるよ」
二人でじっと寝ている子どもを見つめる。
黄色の髪のこの子どもは、それだけで王族だと分かる。
「にしても、第一王子様が王様になったんだ」
呟いたころん。
チラッところんを見た莉犬。
「……そっか、ころちゃんは関わりがあったんだよね。宰相様と」
フレッサ王国の宰相。
王位争いのために内乱状態だった国をしずめ、建て直している最中だという。
まだ年若い宰相だが、反発もなくうまくやっているらしい。
それはそうだろう。
ギリっと歯を食いしばったころん。
「宰相様が第一王子様について内乱が長期化したから、僕も莉犬くんも逃げ出す羽目になったんだよ。他の人たちだって」
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翠霞チサ(プロフ) - ねこさん» ありがとうございます、とても嬉しいです！ (2023年2月15日 3時) (
レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - 本当に好きです、何回読んでも飽きません (2023年2月14日 22時) (レス) id: 0464914362 (このIDを非表示/違反報告)
緋桜ひよ子(プロフ) - ナナシさん» わああああ！！ありがとうございます！！！ (2021年10月4日 21時) (レス) id: a44667decb (このIDを非表示/違反報告)
ナナシ - 緋桜ひよ子さん» え、本当ですか！私としてはもちろん大丈夫ですが、本人様たちには迷惑がかからないようにお願いします…！ (2021年10月4日 21時) (レス) id: 1f91d52096 (このIDを非表示/違反報告)
緋桜ひよ子(プロフ) - あ…あの！こちらの作品のファンアートを描かせて頂けませんか…！？あまりにも素敵な作品なので･････。ダメであれば大丈夫ですので…！ (2021年10月4日 20時) (レス) @page44 id: a44667decb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナシ
| 作成日時：2021年9月22日 2時
