ヒーローを好きになるために【ヒロアカ】 (ページ5)

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ほんと、嫌になるページ5

「…久しぶりだな」

久しぶりに会った幼馴染。私がヒーローを嫌うようになってからは、彼とは疎遠になった。もう1人の幼馴染、緑谷出久ともだ。

彼らとは3年間クラスが違った。それも疎遠になった原因の1つであろう。

中学1年生のときは何度か雑談もしていたが、2年生になってからは簡単な連絡や報告のみだった。葬式の時の彼は顔を出していたらしいが、話はしていない。

気づかないうちに大きくなった背中。低くなった声。前よりも目つきの悪さには磨きがかかっている。

『…久しぶり、だね』

廊下でバッタリ会ってしまった。そう出会った方がまだマシだったかもしれない。

実際は彼が私を呼び出したのだ。

つまりは、彼からなにかしらの用件があるということ。

放課後、誰もいない空き教室でただただ静かな時間が流れる。

近くで部活をやっているのか、風に乗った掛け声が耳に届く。なびいた薄緑色のカーテンが、彼と私の間を遮り、彼の顔が見えなくなる。

その瞬間、なにか言っていたようだったが、私には聞こえなかった。その内容を、聞きたくなかった。

相変わらず勘が良い。

「忘れようとしてんじゃねぇよ」

ほんと、嫌になる。

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