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真咲Side
怜生くんの涙をはじめてみた。
その涙から伝わってくる、思いや気持ち…
ようやく、怜生くんの言いたいことの意味が分かったような気がした。
真咲「だから…。」
怜生「っ。もし次、同じような状況になっても俺は良いからみんなを身を挺して守れ。俺は仲間がいる限り、死んだりなんかしねぇよ。だから、お前は少しでも多くの仲間を守ることを考えて動け。もちろん、俺はお前も含めた大事な仲間を全力で守る。今日みたいなことが有って、みんなと俺を天秤に掛けなくてはいけなくなったときは、迷わずにみんなを選べ。」
そうやって、今度はどこか遠くを見つめながら優しい笑顔を見せた怜生くん。
真咲「わかった。。。」
俺は、その怜生くんのあまりにも綺麗な笑顔に呆気にとられてなんとなく、そう答えてしまっていた。
怜生くんのその眼…
それは本当に愛しいものを見る目をしていた。
そして、こちらを向いた怜生くんはこう言ったんだ。
怜生「真咲、覚えとけ。自分の命と仲間の命。それは天秤にかけられないぐらいに、どちらも尊くて儚いものだ。命と比べられるものなんてないんだ。でも、自分の命と世界で一番大事な人の命、と言われると人の気持ちは揺らぐもの。自分の身を挺してでも守りたい、大切にしたい命。それは人によって違う。”家族””友達””恋人”という選択肢がある中で、俺にとってそんな存在が”仲間”なんだ。真咲もそんな存在を作れ。その存在が、俺たちになった時に俺たちは本物の”仲間”、”絆”の見える仲間になれるから。」
何故かその言葉は、俺の耳にスッと入ってきた。
そして、心の中にスッと入り込んできた。
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