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光黄Side
佐藤「あぁ、風男塾か。」
えっ?
俺たちのことを知ってる?
俺たちの存在は警察の中だけの秘密。
表ずらは変わり者の仕事しないやつの集まりだとか、各部署の出来損ないだのなんだのと憶測が飛び交っているだけのはず。
正式名称があることを知っている人はいないし、それを聞いて『あぁ、知ってるよ』となる人も少ない。
健水「なんで?なんで俺らのこと知っとるん?」
珍しく健水が焦ってる。
佐藤「さぁ、なんでだろうな。」
健水の構えた銃がブルブルと震えているのが分かる。
それだけ、俺たちの存在が外に漏れることを俺たちは恐れる。
ましてや、事件の犯人なんかに。
動揺しちゃいけない。
俺が、健水を、宙を、真咲を…
助けなきゃいけない。
そのぐらい分かってる。
でも、それに追い打ちをかけるように…
佐藤「忘れてたけど、この工場に仕掛けた爆弾は、解体しようとすると爆発する仕掛けになってんの。」
嫌な汗が背をつたう。
怜生…
無事でいてくれ!
くっそ…!
落ち着け、俺。
こんな奴に、動揺するな…
光黄「くっそ…」
俺は再び佐藤に銃を向けなおした。
だが…
佐藤「いいのか?俺の手の中の爆弾がドカンといっても。」
佐藤が脅しをかけてくる。
のとほぼ同時だった。
真咲「怜生くん!」
真咲がそう叫んだ。
さっき、怜生が出て行った扉の前に人影が見える。
??「俺を舐めてもらっちゃぁ困るぜ…?」
そこから、今一番聞きたかった人の声が聞こえた。
怜生「俺に解体できない爆弾なんかねぇ!」
全-怜生「怜生/怜生くん!!」
動揺していた俺らの心を取り戻すかのごとく現れた怜生。
その姿はまるで…
『風男塾なら、もっと堂々としてろ!』
とでも、言っているようだった。
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