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怜生Side
俺たちが部屋に入っても、全然気が付かない犯人。
少しだけ犯人に近づいて、側のプラスチックケースの陰に隠れながら様子をうかがう。
どうやら、見た感じは共犯者はいなさそう。
一人の単独犯だ。
怜生「案外あっさり見つけたな。一人みたいだし、さっさと検挙していいか？」
健水「あぁ。ええで。なんや仲間もおらんっぽいし。でも、興奮させたらあかんで、爆弾のスイッチは拳銃で吹き飛ばしとき。」
初めに言っておこう。
俺たちメンバーは、真咲以外は全員、部署関係なく教育された凄腕スナイパーだ。
一番すごいのは、光黄。
あいつは、1�卆茲�500円玉が打ち抜けるぐらい。
その次は、健水。
500ｍ先の50円玉の穴を撃ち抜ける。
俺と宙はそれぞれ100ｍ先の1円玉だったら外さずに確実に打ち抜ける。
接近戦だとまた別の話になってくるんだけどな？
怜生「行くぞ。」
俺の合図で、年下組の残りの二人も拳銃のたまをセットする。
怜生「真咲は発砲するなよ？脅しでいいから。」
真咲「わ、わかった…」
浦正くんからの指示。
真咲を絶対に守れっていう責務があるから、発砲はさせられない。
もし、失敗して変なところを撃ったりしたら大変なことになる。
宙「さぁ、行きましょう。」
俺たちは三人で、うん、と頷きあう。
そして…
怜生「警察だ！動くな。」
宙「もう悪あがきはやめてください。」
怜生「あんたのやることはバレバレなんだよ。」
3人の警察官が1人に対して拳銃を向ける。
まぁ、日本ではなかなかお目にかかれない景色だ。
俺らと同じようにして、気丈に振る舞って犯人に拳銃を向ける真咲。
だけどその手はプルプルと小刻みに震えている。
それを見て、俺は心に誓ったんだ。
この年下組の班長を任されたからには…
真咲を…
あいつを絶対に俺たちと同じような部類の警察官にしちゃいけない。
あいつだけは、『正義』を貫く理想の警察官を貫き通さないといけない気がする。
俺たちみたいに、躊躇なく人を撃ち殺せるような歪んだ警察官になっちゃいけないんだ。
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