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真咲Side
目の前のあこがれの場所。
それに対して、俺のテンションは下がる一方だ。
警視庁に来れたことは嬉しい。
こんな立派な場所で務めるんだ、嬉しくないわけがない。
でも、行く部署が行く部署なのだ。
あれから、青明寺さんに頼まれたことを断るわけにもいかずトントン拍子に話は進んでいって、勝手に色々決められていた。
前にいた警察署の人間で、俺が風男塾配属になったことを知っている人は誰もいない。
言うなれば…
極秘というやつだ。
署の人はただ警視庁に移動になったと聞かされたようで喜んでくれたが、俺は素直に喜べない状況。
最低限のものだけ詰めた段ボールを一個だけ持って警視庁に足を踏み入れる。
入り口のゲートは青明寺さんの名前を言うとすんなりと入れた。
風男塾のラボは地下5階にあると聞かされた。
指定されたエレベーターに乗り込む。
地下5階。
もっと倉庫みたいに陰険で暗い場所かと思ったけど、そうでもないらしかった。
エレベーターを降りるとすぐにシックな黒の壁。
そこに、でかでかと風男塾という白文字が彫られていた。
入り口は、自動ドア。
入ってみると、中もシックで黒と白で統一されたデスクとパソコン。
その他の余計なものは一切置かれていなかった。
そしてそこには、3人の人たち。
俺のことなんか気にせず、思い思いのことをしている。
必死になってパソコンをハッキングされないようにしてる人。
隣のパソコンで何かを分析してる人。
そのまた隣のパソコンでは、調べ物をしながら資料を読んでいる人。
聞いていた人数より一人少ない。
出勤がまだなのだろうか？
ハッキングされるような重要機密を持っている時点で、どう考えても普通の警察官じゃない。
一応、挨拶はいるよね？
真咲「あのー、本日付で配属されました。紅竜と申します。」
三人の視線が一気に俺に集まる。
そして…
一斉に逸らした。
えっ？
普通、宜しくとか言うもんじゃないの？
俺は、何をしていいかも分からないし、どこに座ればいいかもわからない。
ただ、三人の手が止まるのを待つ。
不安すぎる…
このスタート。
この先俺、どうなるんだろう？
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