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怜生Side
それから、本当に動こうとしなかった健水。
弟の敵と、自分の首がかかっているんだ…
誰だって動かないだろう。
あのあと、浦正くんが到着。
光黄が宅配便のお兄さんを装って中川がアパート内にいることを確認して、正式に逮捕令状が出た。
そして、現在は扉の前でスタンバイ。
14時38分、浦正くんのGoが出て逮捕に踏み切った。
中川は、俺たちがあれだけ警戒していたにもかかわらず、案外あっさりと罪を認めた。
動機はよくあるご近所トラブル。
日下部さんが、中川の陰口をたたいているのを聞いてしまったらしい。
鈍器で殴った上に、体のあちこちを床に叩きつけ、その上首にロープをかけたのは、それだけで死んだとは到底思えなかったからだそうだ。
俺たちは、なんだか腑に落ちないまま警察署に中川を受け渡し、引き続き俺の運転で警視庁の風男室へと帰る途中。
怜生「真咲？どーしたんだよ。シケタ面してさ。」
事件は解決に向かったのに、浮かない表情の助手席の真咲。
そう言えばさっき、宙もおんなじ顔してたな。
真咲「なんか、引っかかって。もちろん皆さんの捜査が間違ってるとは言いませんけど。もっと小さなことなんです。俺、よくあるんですよね、あんまり気にしないでください(笑)」
なんだ、そんなことかと思って、俺はまた運転に集中した。
風男室に着くと、みんな各々。
自由な表情に戻っていく。
俺も筋トレでもしようかなぁ…
なんて思っているところだった。
宙が珍しく…
宙「僕、外の空気吸ってきます。」
外行く発言をした。
宙にしては珍しいことなのに誰も気に留めない。
真咲「俺も行ってきます。」
真咲が付いて行った。
健水「あいつらってさ、ほんまに仲えぇよな。」
と健水がぼそっとつぶやく。
光黄「さぁ、どうだか。」
と、光黄が何とも言えないふわっとした返事を返した。
怜生「まぁ、これからなんじゃね？」
と俺が言うと…
健水「これから、なぁ。」
と、健水が呟きで返した。
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