ムラムラしてんだよ ページ27
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恐怖心を母親の胎内に置いてきたのであろうキヨが先陣を切って敷地内に乗り込むと、紫に照らすライトをチラチラと動かすレトルト、少し間を空けて牛歩の歩みの俺とAがキャンプ場内に踏み込んだ。
さっきまであんなに和気藹々と陽キャしてたのに、同じ場所とは思えないくらい不気味に映るのは何故なんだろう？虫の音や梟の鳴き声さえ、恐怖心を煽るBGMに聴こえる。
レ「指紋探すの骨が折れるわ、これ…」
たしかに、広すぎる。俺はカラフルリモコンを手に持ち、あちこち掲げながらゆっくり移動した。その後ろを温度計を握りしめたAがついてくる。
ガ「ブレーカー上げたぞー」
ガッチマンの声と同時に、頭上に張り巡らされたライトがほんのりと点灯した。
A「わ、綺麗だね」
上を見上げるAの顔が照らされて、瞳に灯りが反射する。…ダメだ、今日はAの事がいつも以上に愛おしく思えてしまうみたいだ。キスしたい衝動に駆られて、俺は慌ててAから距離を取った。
A「あ、ウッシー待ってよ…」
Aの声に背を向けて、次々と現場を調べていく。こんなもん、さっさと終わらせたい。何の霊だか知らねえが、早く出てこい。こっちはムラムラしてんだよ。
キ「全然反応ねえぞー、ガッチマーン」
ガ「細かく見てみてくれ、テントの中も」
キ「えー、めんどくせえな！了解」
俺のEMFとやらも、全然反応ねえな。温度計に変えてこようかな…と、あれ？出口どっちだっけ？しばらく彷徨くと、先程のキャンプファイヤーの所に出た。…そこには、温度計ではなく木に刺したマシュマロを火にかざすAの姿があった。
ウ「…何してんの、A…」
言うや否や、Aはマシュマロを口に咥えながら俺の口を手で塞ぎ、周りを見渡した。マイクのスイッチを切ると、マシュマロを急いで飲み込み、
A「お願い！誰にも言わないでよ。ちょっとつまみ食いしてただけなの、ちゃんと温度調べてたもん、マシュマロ置いてあったからつい…」
ウ「わかったわかった、落ち着け」
全く…小学生かコイツは。…今度の休み、ストロベリーサンデー奢ってやろう。
ウ「っ、ん？！」
ドクン。自分の心臓か、Aのか、はたまた違う誰かか。耳の中から身体中に鳴り響く心音。ドクン。
ウ「…ハントか？」
A「ウッシー、何これ、こないだと同じ…！」
ウ「ヤバイ、A、走れ！」
俺はAの手を引っ張り、急いで近くのテントの中に押し込んで、入り口を閉めた。
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いりや(プロフ) - りんごさん» 素敵な言葉で褒めて頂き有難うございます😊楽しんで頂けて幸いです✨ちゃんと完結しますので気長に更新お待ちいただけたらと思います。ミステリ系がお好きでしたらFriday Nightは完結してますのでよかったらお試しくださいませ🤗 (2022年4月6日 22時) (
レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とても面白かったです！読む手が止まらず1話から最新話まで一気に読んでしまいました。本当にこの作品に出会えて嬉しいです。これからも応援しています！ (2022年4月6日 15時) (レス) id: 7d7013c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - でんこさん» うう、嬉しいお言葉ありがとうございます(T-T)！ドキドキきゅんきゅんして頂けたら私も嬉しくてほくそ笑みます！ジェイソンとはまた違うタイプのお話になるとは思いますが、読み続けて頂ければ幸いです^ ^頑張って更新します😊 (2021年10月17日 9時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
でんこ - いりやさまの書かれるお話大好きです！ジェイソンの時もすっごくドキドキしてキュン要素もあって最高でした。これからもがんばってください！応援してます！ (2021年10月17日 1時) (レス) @page8 id: 960c4a624a (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - chiyuさん» いらっしゃいませ。こちらこそ、心に沁みる素敵なコメントを有難うございます🥰世界観を活かした読み応えのあるお話をお届けできますよう、精進して参ります😊 (2021年10月15日 0時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いりや | 作成日時：2021年10月8日 1時
