260.授章式 ページ24
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そうして、七つの大罪からバンとキングが離脱した。
案の定、キングがいなくなったことにディアンヌは不安そうにしていた。けれど私は何も言えず、ただ不安そうにする彼女に「大丈夫」だと一言励ますくらいしか出来なくて。
キングがいなくなったことに、メリオダスはそれほど心配はしてなさそうで、きっとすぐ戻ってくるだろと言った。
そして、私達は国王様の授章式へ向かったのだった。
「これ…私はちょっと場違いじゃない…?」
「何言ってるの!Aだって立派にこの国を守った一人だよ。町の人達だってAにすっごく感謝してたの知ってるでしょ」
「そうだけど…」
私はメリオダス達ほど役に立ったわけじゃないし、一時的とはいえ、敵対する方についてしまってたわけで。
エリザベスは私にも勲章を授与される資格があると言ってくれたけど、なんだかいざこの場に来るとちょっといたたまれないというか。
だって周りには大勢の聖騎士、そして王族関係者の人達でたくさんだ。
周りの視線が気になって仕方ない。だって彼らが私達に向ける視線は決していいものじゃなかったから。
何を言ってるかまでは分からないけど、ヒソヒソと話してる声が耳に入ってくるのだ。
ヒソヒソと話してる人達をチラリと見る。
七つの大罪が王国を救ったという事実、そんな七つの大罪が勲章を授与されるのが気に入らない…といった目だ。まぁ、そう思う人達がいても仕方ないのかな。
きっと私もよく思われてないだろう。
こんな小娘が勲章を授与される?笑わせんな!ハッ!とか言われてそう。いや絶対言われてる。
「はぁぁ〜…」
思わず溜め息が出てしまった。
「緊張を和らげるには歌えばいいんじゃないか。Aは歌が得意なんだろう」
「…ゴウセル、それはさすがにまずいよ。そんなことしたら空気読めないヤバい女になっちゃうよ私」
こんな中で、いきなり歌い出したら頭がおかしくなったと思われること間違いなしだ。
ゴウセルのその提案は迷うことなく却下である。
それに比べてホークちゃんは通常運転で、横でムシャムシャと残飯を食べていた。
「ホーク殿、一応 国王陛下の御前であるぞ?」
「大丈夫!俺は気にしない!」
マーリンの言葉にも、ホークちゃんは全く気にする素振り無く残飯をひたすら食べ続ける。
残飯をたくさん食べたからか、ホークちゃんはすっかり元のサイズに戻っていた。
うん、やっぱりこの子見てると心が和むね…。
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きよか。(プロフ) - あぷるさん» 初コメありがとうございます(;_;)掲載当初から…うわわわ…なんと…ありがたいです…(;_;)嬉しいです!あとがき、ちょっと紛らわしかったですがサプライズ、ということで!2年、あっという間です…。まだまだ続きます!ので、ぜひこれからもよろしくお願い致します! (2020年11月30日 22時) (レス) id: 17fe0d2d28 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - イオさん» ありがとうございます(*^^*)続編、また頑張っていきます!発狂してください、ぜひ!(笑)シリーズ7は12月からスタートになります!もうすぐです…!これからも引き続き頑張っていきますので、楽しんでいただければと思います♪ (2020年11月30日 22時) (レス) id: 17fe0d2d28 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - 音無さん» うわぁぁ(;_;)長いのに、また読み直してくださってるなんて…嬉しい限りです…。夢主ちゃんの成長を改めて感じてもらえてとても嬉しく思います(;_;)文才なんて、まだまだ全然ですがそんな風に仰ってくださって光栄です…!次はもうすぐです!楽しみにしていてください♪ (2020年11月30日 21時) (レス) id: 17fe0d2d28 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - 初めてコメントさせて頂きます。掲載当初から本当に大好きです。今回あとがきとあって寂しい気持ちになりましたが続編と言うことでおめでとうございます!二年間最高の作品をありがとうございます。無理せず更新頑張ってください (2020年11月29日 18時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
イオ(プロフ) - 続編決定おめでとうございます,十戒編が楽しみすぎて発狂しそうです,更新頑張ってください (2020年11月24日 22時) (レス) id: 13211e3e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きよか。 | 作成日時:2020年8月22日 19時