【七つの大罪】黄昏の歌姫.2

86.見た目の話 ページ41

あれから私達は帽子亭へと戻った。相変わらずバカみたいに騒いでて(主にバンが)、ほんと元気すぎて困るなぁと思わず苦笑い。
窓越しのディアンヌと顔を見合せ、やれやれとお互いに肩をすくめた。


「よぉ〜♪Aも飲んでるかぁ〜？」

「うわっ、ちょっとバンやめて…重い…」

「プゴ！コイツ相当酔ってるぜ！A気を付けろ、襲われるぞ…！」

「お、襲っ…！？」

「んなことすっかよ〜、こんなガキ興味ないね、ヒック。胸も小せェし」


その言葉に、私の肩に腕をまわして寄りかかってきていたバンからすぐさま離れて、自分の胸を両手で隠す。セクハラだ！セクハラだ！
メリオダスといい、バンといい、そういう女の子の気にするような事普通にサラッと言うのどうかと思う…！ちょっと気にしてるんだから、なんて言えるはずもない。
こうも小さい小さい言われると本気で傷つくんだから。ちょっと泣きそうになってると、後ろからポン、と頭に誰かの手が乗る。振り向くと、メリオダスがいた。


「あんまコイツいじめんなよバン。Aをいじめていいのは俺だけだ」

「えっ」

「団ちょのお気に入りだもんな〜♪」

「いや、何言ってるの…」


そんな、エリザベスの前で…。慌ててエリザベスの方を見れば何かすごい楽しそうにニコニコ微笑んでいた。良かった…気にしてないみたい。
とはいえ、心臓に悪い。


「ま、でもコイツはまだ酒飲める歳でもねーしな」

「あれ？私、メリオダスに歳言ったっけ？」


確か年齢までは言ってなかったような…。聞かれたこともなかったし。


「エリザベス、お前１６だっけ？」

「あ、はい！１６です！」

「エリザベスと同じくらいだろ？Aも」


あれ、私ってそんな童顔に見えるんだろうか。
まぁ１６歳と１９歳。３つしか変わらないけど、それでも元の世界なら高校１年生と大学１年生だ。これって結構違うと思うんだけど…。
でもエリザベス、私よりもずっと大人っぽいし美人だし背も高いし。
まさかそんな私が、エリザベスより３つも上だなんて…思わない、よねぇ…。


「え、ちょっと…何かすごい落ち込んじゃったけど…。A？」


あからさまに肩を落とす私を見て、キングが慌てたように私の顔を覗きこむ。
そんなキングの顔を、私はジッと見つめる。


「キング…キングは私のこと何歳くらいだと思った？」

「えっ？えーと…１５、１６くらい？」

「…私、１９歳なんだよ」

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