83.苦労人レオン ページ36
.
微妙な空気にさてどうしたものかと頭を悩ませていると、「A」と静かに名前を呼ばれた。
さっきの険しい表情から一変し、どこか困ったような表情をしていた。
「さっきのあれは、そういう意味じゃない。あれは俺をなだめるためにした行為だ。エイダもそういう気があってあんな事をしたわけじゃないだろ」
あれ、とはキスの事。アメリカってのはそういうもんなの…？好きでもない相手にキスなんかする？
頬っぺとかならあるかもしれないけど……。
分からん！文化の違い、分からん……！
でも私から見たらレオンもエイダさんもお互い惹かれあってるんじゃないかなって思っちゃうんだよね。
レオンは自分の気持ちに気づいてない、とか？鈍感なのかも。
「素直じゃないなぁ〜っ。事が落ち着いたらゆっくり恋愛相談乗ってあげるからね！」
「何を言っても無駄そうだな」
そんな私にレオンは肩をすくめた後、またパソコンに視線を戻した。
さて、からかうのはここまでにしよう。レオンが真剣にパソコンを見ているのを邪魔してはいけない。
その間私はどうしてようか。
ここ、綺麗だしこの辺りにはゾンビとかいなさそうなんだよね。
ふむ、と顎に手をやり考えながら受付の近くにあるセキュリティールームと書かれた扉を見る。
そっ〜と扉を手で押せば普通に開いた。
「お邪魔しま〜す……良かった何にもいないね…」
ホッと胸を撫で下ろし、部屋を見渡す。
「うげぇ…」
目の前には血のついたベッド。そして何も映っておらず砂嵐音が鳴り響くだけのいくつものモニター。
不気味すぎる。ビクビクしながら部屋のデスクに置かれた地図を手に取る。良し良しお手柄だぞ私。
自分を褒め称えていると、ある物に視線が行った。
デスクの端に置かれたピザ。まだたくさん余ってる。
「…お腹空いたなぁ」
ぐぅ、となるお腹。くそう、なんでこんなとこにピザなんか…！
アメリカって何が1番美味しいんだろ〜なんて考えながら地図を持って部屋を出た。
「レオン、地図見つけた〜！」
じゃーん、と持ってきた地図を自分の顔の高さまで上げて見せる。
レオンが顔を上げて眉を寄せた。
「どこにあったんだ？」
「そこのセキュリティールーム」
「…せめて一声かけてくれ。何かあったらどうする」
「真剣に調べ物してるとこに声かけるの悪いかなって。でも何もいなかったよ！地図も見つけたし」
あれ、なんかまた溜息つかれちゃった！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 375人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
里胡(プロフ) - ヤバ〜！！とうとうシリーズ３....めちゃ楽しみですっ✨ (5月8日 0時) (
レス) @page48 id: e4c27b2981 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - しののめさん» わー！数ある作品の中からこちらを見つけてくださり嬉しいです…！それに一気に見てくださって…（ ; ; ）ありがとうございます！また近々更新しますので、楽しみに待っていてください(*ˊ˘ˋ*) (4月5日 13時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - 里胡さん» 神作…！ありがとうございます（ ; ; ）わくわくしてもらえて嬉しいです♪励みになります！また近々更新しますので楽しみに待っていてください(* 'ᵕ' ) (4月5日 13時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
しののめ - バイオハザードをプレイするようになってこの作品にたどり着いたのですが、ここまで一気に見てしまいました🤭無理せず、更新して頂けると嬉しいです！応援しています😳 (4月3日 9時) (レス) id: 47229d96fd (このIDを非表示/違反報告)
里胡(プロフ) - 相変わらずの神作です✨更新された度にわくわくしながら見ています！無理をしない程度にこれからも頑張っていただきたいです☺️次回も楽しみにしてます！！ (3月21日 22時) (レス) @page40 id: e4c27b2981 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きよか。
| 作成日時：2023年7月18日 22時
