328.消えたディアンヌ ページ5
.
マーリンの言う通り、頭を強打しての一時的な記憶障害ならまだいい。
でも…。
チラリ、とゴウセルへ視線を向けると彼も私の視線に気がつきこちらを見てきた。
マーリン達と話しこむメリオダス達をよそに、私はゴウセルへ近づく。
「ゴウセル、さっきの聞いてた?ディアンヌの事」
「ああ、聞いていた」
「……こんなこと、あんまり言いたくないんだけど…」
ゴウセルが、やったの?
そう聞く前に、1人ディアンヌの傍にいたキングの慌てた声が聞こえて来た。
「マ…マーリン!!」
聞けばどうやらディアンヌの記憶が消えていってるらしい。それも、どんどん手前の記憶から抜け落ちていってると言うキングに私はさらに不安になる。
これはもう、頭を打ったことによる症状なんかじゃない。
「わかった…ひとまずディアンヌを診てみよう」
「た…頼むよ!」
マーリンは直々にディアンヌを診ることになった。
そして私達は再びディアンヌのいた部屋へ向かったけれど、そこには彼女の姿はどこにも無くて。
「ディアンヌ?ああ、あの巨人族の少女ですよね!太ももと胸元を露にした大胆な衣装でツリ目のかわいいツインテールの!いや〜〜好みだなァ」
近くにいた兵士の言葉に目を見開く。
ディアンヌはここにはいないと、そう言う。
突然何かを思い出したかのように慌てて飛ぶように出ていった、と。
さっきまでここにいたのに、ちゃんと、ここに…。
それなのにどこに行ったって言うの?
私は思わず兵士の肩を掴んだ。
「どうして引き留めなかったんですか!!」
「ど、どうしてと言われましても…急いでいたようだったので」
「そんな…」
肩を落とす私と同様にキングもまた、酷く困惑して落ち込んでいた。
何も言わずにどこかに行っちゃうなんて。
記憶が消えてしまったディアンヌに、誰かに何か言ってから出て行くなんてことをするわけがない。分かってるけど…。
「一体どこに行ったんだい…ディアンヌ」
「簡単だ」
「ゴウセル!?」
スレイダーと共に、ゴウセルが来た。
「王国で七つの大罪に入団する以前にいた場所だろう」
「どういうこと?入団する以前…?」
ディアンヌについていとも簡単に理解したように言うゴウセルに私は自分の予想していた考えが一致したのを確信し、頭を抱えた。
「ゴウセル…ディアンヌの記憶を消したの?」
「え?A、それってどういう…」
「ゴウセル、答えて」
戸惑うキングを横目に、私は強い口調で言った。
1959人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きよか。(プロフ) - ななしさん» 和解出来ましたー( ; ; )いやぁ本当に…夢主頑張った…(T-T)続編もうすぐ始まりますので、また楽しみに読んでくだされば嬉しいです♪ (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ことみさん» いつもありがとうございます!リズとの出会いのシーンは本当に一番書きたかったシーンだったので、そう言ってもらえて嬉しいです…!もうすぐ続編公開ですので楽しみにしていてください!! (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 和解できてよかった…!本当に夢主は頑張りましたね。今後の進展もうずうずしながら待ってます!続編よろしくお願いします〜! (2021年10月6日 23時) (レス) @page47 id: 6684c52b13 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 続編も、ドキドキワクワク楽しみにしながら待ってます! (2021年10月4日 16時) (レス) id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 黄昏の歌姫8シリーズお疲れ様でした!どの場面もとっても心に残ったんですが、リズとの出会いの場面が個人的にとっても胸がドキドキした場面でした!まさかの夢主ちゃんとリズが出会って七つの大罪の世界に来た意味を少しでも知れたのが鳥肌モノでした! (2021年10月4日 16時) (レス) @page47 id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きよか。 | 作成日時:2021年5月26日 21時