362.許す、許さない ページ39
.
メリオダスはジェンナさんとキングの所へ行ってしまい、この場には私とマーリンとヘンドリクセンの3人になった。
別にマーリンと2人だったら何も問題はない。ここにヘンドリクセンがいることが問題なわけで…。
大体どうしてこの人がここに。散々な事したくせに、何で平然とした顔でいるんだろうか。
メリオダスやマーリンが、大丈夫だって言ってるから本当に大丈夫なのかもしれないけど…。
私は平気でいられるほどできちゃいない。
未だ腰を抜かして地面に座り込んだままどうすることも出来ないんだもん。まだ怖いに決まってる。
いいや、マーリンと2人でお話しでもしてようかな…。
そう思っているとヘンドリクセンと目が合い、立ち上がってこちらに近づいてきた。
えっ、えっ!と動揺している間にヘンドリクセンは私の前まで来る。
ギョッとしているとマーリンは私の少し後ろで「大丈夫だ」と落ち着いた声でそう言ってくれる。
「あなたにも謝らなくてはいけない事がたくさんあるのです。いや、謝って済むことではないのは分かっています。けれど…どうか、謝罪させてください」
地面に座り込んだままの私に手を差し出すヘンドリクセン。
謝りたいと言い、私に手を伸ばす彼にただ困惑する。
なにこれ、なんだこれ。これがあのヘンドリクセン?つい最近、敵だった彼の言動とは思えない。
「…自分で立てる」
差し出された手から視線をそらし、私はゆっくりと自分で立ち上がった。
チラリと彼の顔を見る。なんなの、その顔。申し訳なさそうに眉を下げて。これが本当に、ヘンドリクセンだって言うの?私に敬語まで使って。
頭がついていかない。
「……どうしたらいいか、分からない。許す、とか…許さない、とか。そんないきなり謝りたいなんて言われてもそんなの分からないよ」
「確かに、あなたの言う通りです。返す言葉もありません」
「その喋り方…」
「!」
「それ、やめてよ。あなたにそんな喋り方されると調子が狂う。なんでそんな…」
「私は、大きすぎる罪を犯しましたから」
分からない。全然。一体ヘンドリクセンにどういう変化が起こったのだろう。
もう何て言葉を返したらいいのかも分からない。
ただ重い空気が流れる中で、ジェンナさん達と話していたメリオダスが私を呼んだ。
ハッ、としてその呼びかけに手を振り返事をする。
メリオダスの元へ行こうとする足を止め、ヘンドリクセンを見据えた。
1959人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きよか。(プロフ) - ななしさん» 和解出来ましたー( ; ; )いやぁ本当に…夢主頑張った…(T-T)続編もうすぐ始まりますので、また楽しみに読んでくだされば嬉しいです♪ (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
きよか。(プロフ) - ことみさん» いつもありがとうございます!リズとの出会いのシーンは本当に一番書きたかったシーンだったので、そう言ってもらえて嬉しいです…!もうすぐ続編公開ですので楽しみにしていてください!! (2021年11月2日 0時) (レス) id: eb7d68b815 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 和解できてよかった…!本当に夢主は頑張りましたね。今後の進展もうずうずしながら待ってます!続編よろしくお願いします〜! (2021年10月6日 23時) (レス) @page47 id: 6684c52b13 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 続編も、ドキドキワクワク楽しみにしながら待ってます! (2021年10月4日 16時) (レス) id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 黄昏の歌姫8シリーズお疲れ様でした!どの場面もとっても心に残ったんですが、リズとの出会いの場面が個人的にとっても胸がドキドキした場面でした!まさかの夢主ちゃんとリズが出会って七つの大罪の世界に来た意味を少しでも知れたのが鳥肌モノでした! (2021年10月4日 16時) (レス) @page47 id: 59a391eb70 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きよか。 | 作成日時:2021年5月26日 21時